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パチューカvsG大阪 試合後の監督会見要旨

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[12.21 クラブW杯(FCWC)3位決定戦 パチューカ0-1G大阪 横浜]

 FIFAクラブW杯・3位決定戦が21日、横浜国際総合競技場で行われ、アジア代表のガンバ大阪が北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)と対戦した。G大阪は前半29分にFW山崎雅人が先制点を決めると、そのまま1-0で勝ち、堂々の世界第3位に輝いた。
以下、試合後の監督会見要旨

<パチューカ>
●エンリケ・メサ監督
「相手が勝利にふさわしかったと思う。我々はリスクを冒しすぎて、相手のカウンターが強力だった。自分たちもチャンスはあったが、決めることができなかった」

―4位という結果には?
「自分たちが目指していた順位とは違うが、4位になってしまった。結果には満足していないが、選手は最大限の力を発揮してくれた」

―決定力が足りなかった要因は?
「正確さに欠けていた。今はまだ気持ちの整理がついていないが、選手はよくやってくれたと思う」

―大会3試合目だったが、コンディションは?
「フィジカルコンディションはよかった。余裕を持って日本に来て、3試合をやったが、1試合目に120分間プレーしたのはつらかった。言い訳にはしたくないが、120分のプレーはチームに影響を与えたと思う」

―G大阪の印象は?
「チームとしていいチームだった。どの選手ということではなく、スピードがある、いいチームという印象が残っている」

―メキシコのファンに何かあれば?
「非難するのは長所を話すよりも簡単なこと。90分の中でよかった局面もあった。現実は現実だが、いつも太陽が輝くわけではない。いつもいいときばかりではなく、悪いときもあるのが人生」

―決勝はまた欧州対南米だが、そこに食い込むためには?
「欧州のサッカー、南米のサッカーはやはりすごい。ただ、彼らは2試合しかしていない。できればみんなが同じ形で大会に参加したい。欧州CLもリベルタドーレス杯もみんな同じ試合数をこなすが、この大会は違う」


西野朗監督
「メキシコのチームスタイルにはリスペクトしつつ、目標にしたいチームと考えている部分もたくさんある。そういうチームと今日対戦できて、大会を通して3大陸の違うスタイルの強豪チームと対戦できて、うれしく思うし、ガンバのスタイルを貫き、真っ向から勝負して結果も出せたことはうれしい。選手も臆することなく、チャレンジスピリットを持って戦ってくれた。次につながる大会だと思う。相当選手にはダメージがあって、やりたい部分を出し切れたわけではないが、持っている力をすべて出した結果だと思うし、1-0とゲームコントロールできたことは評価したい。喜んでいるというより、憔悴しきったロッカールームで、3試合やってすべてを出し切った状態。いい経験だったと思う」

―去年は浦和が3位となり、今年はガンバが3位となったが、Jリーグの強さとは?
「レッズの過去はどうでもいいと思っているし、レッズがどうだったからということではない。Jリーグを代表したのが昨年はレッズで、今年はうちだったが、アプローチもスタイルも違う。違ったJリーグの1チームが08年のCWCにチャレンジしたということ。Jの代表としてACLも制覇しなければならないし、今年は3チームが参戦して、アジアの中でリーダーになっていかないといけない。その使命を今年はガンバが果たせた。Jの宿命として常にアジアのリーダーにならないといけない。ACLを獲れて、この大会で3位となり、ある程度の使命は果たせたと思う。常にレッズと比較されるが、それはあまりピンと来ない」

―ポゼッション重視のパチューカへの対策は?
「技術を発揮したショートパスを正確に速くつなぐチームで、マンUとは違うスタイル。DFにはプレッシングを怖がらずにかけてプッシュアップして、中盤でボールへのディフェンスを強めようという指示は出していた。その距離感や、前線からのファーストディフェンスの入り方を気を付けてやったが、試合の入りはできていたが、そこも巧みに打開してきた。もっともっと強いプレッシングを理想としているが、前半は少しずつDFラインが落ちて、理想より10mぐらい下がっていた。ハーフタイムに、きついけど、中盤の運動量を増やしてラインを上げようと話したが、できなかった。何10分間かはできていたが、そこらへんのボールの動かし方も巧みだと思った」

―今のやり方で間違いないという手応えを得たのか?
「チームのコンセプトやスタイルはまずあるけど、相手もあること。いろんなアプローチを考えないといけない。ベースはあるけど、選手が臨機応変に、戦術眼を持って戦う必要がある。マンU、パチューカという2チームに対する狙いは多少はやれたが、これがすべて世界に通用するかは分からない。違うスタイルのチームがロングボールを駆使してくれば、プレスも効かない。柔軟な対応が必要だが、この相手にはこう挑もうという共通理解を持って臨めた3試合だったと思う」

―2人の選手交代の意図は?
「播戸については、運動量やチェイシングを求めていくことを考えれば、代えなかった。でも2点目をいかに取るかを考え、守り切るメッセージは送りたくなかった。追加点を取る。播戸の交代はオフェンシブなメッセージとして出した。あと、あいつはあまりにも決定機を外しすぎてた(苦笑)。攻撃を考えるなら当然のスイッチで、ディフェンスには目をつぶって点を取りに行くメンバーチェンジだった。二川は使いたいとずっと思っていたし、あいつの1プレーは決定的なプレーができる。武井を入れたのはディフェンス。両サイドを消したいというのがあって、フィニッシュを求めるのではなく、中盤の支配とフォアチェックを強めたかった」

―この大会で得た教訓は?
「いろいろ分析する必要があるし、それを生かさなければ参戦した意味がない。ただ、25日に試合が入っているので、ゆっくり考える時間はない。25日の試合にフレッシュな状態で入るのは厳しいし、それを選手に求めるのも酷。ただただ回復を祈りたい。この3試合はガンバにとってプラスになる3試合だった」

(取材・文 西山紘平)

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