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パチューカ守護神カレロ「最後まで楽しませたかった」

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[12.21 クラブW杯(FCWC)3位決定戦 パチューカ0-1G大阪 横浜]

 「良い試合を見せようと努力したが、力が及ばなかった。ガンバは素晴らしいチーム。世界第3位に見合うゲームをしたよ」。21日のFIFAクラブW杯・3位決定戦で、アジア王者のガンバ大阪に敗れた北中米カリブ海代表・パチューカ(メキシコ)の守護神ミゲル・カレロは、試合後ライバルをそう称えた。
 試合は3位決定戦らしく、90分間激しいゲームとなった。パチューカは前半からG大阪のFW山崎雅人、播戸竜二らの飛び出しにゴールを脅かされる場面も多かった。しかし、そのシュートをことごとく阻止したのは守護神のカレロだった。前半11分、壁の間を狙ってきたMF遠藤保仁の直接FKを阻止すると、前半14分、ルーカスのスルーパスに抜けだした播戸を素早い判断でブロック。前半32分には、ルーカスのクロスにダイレクトボレーで合わせた播戸のシュートを、軌道とは逆側に飛んだにも関わらず左足を伸ばし弾き返し、魂のこもった守備を見せた。
 後半には、PAを自ら出てドリブルし前線にフィード。またCKやFKなどのセットプレー時には、自陣ゴールを空けてでも攻めの姿勢を貫いた。「結果はどうなるか分からなったが、スタジアムに来てくれた方々を最後まで楽しませたかった。ああいうプレーは私の性格の一部なんだ」。そう話したカレロの顔は、最後まで攻める姿勢を貫けた達成感で満ちていた。そのカレロのプレーに62,619人のファンは沸き、惜しみない拍手を送った。2度目のクラブW杯出場で、世界第4位の名誉を勝ち取ったパチューカ。昨年の準々決勝敗退から成績を伸ばした事について質問すると、「私は3位とか4位とか考える以前に、とにかく今日はエキサイティングな試合を見せたかった。それだけだ」。そう話したあと、最後に「満足しているよ」とだけ語り、踵を返した。

(取材・文 山口雄人)

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