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クラブW杯3強を引き寄せた2得点の山崎「自信になった」

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[12.21 クラブW杯(FCWC)3位決定戦 パチューカ0-1G大阪 横浜]

 「(クラブW杯)ではガンバらしいサッカーが出来た。何よりも今日勝ち取った3位は自信になった」。欧州代表のマンチェスター・ユナイテッド、そして北中米カリブ海代表のパチューカから合計2得点をもぎ取ってクラブ世界第3位に貢献したガンバ大阪のFW山崎雅人は試合後、初のクラブW杯に手応えを掴んでいた。
 試合は拮抗し、厳しい試合となった。90分通してのボール支配率はパチューカの66%に対し、G大阪は約半分の34%にとどまった。特に後半、G大阪は守備に回る時間が非常に長く、数々のピンチを迎えた。「疲れました…」。90分間フル出場し、常にゴールを狙って動き回った山崎のその言葉が、試合の激しさをよく表している。しかし前半、山崎は限られたチャンスを活かし、先制に成功。前半29分、右サイドのMF橋本英郎から中央のFW播戸竜二にパスが出ると、播戸はダイレクトでゴール前にパスを浮かす。そこに勢いよく飛び出したのが山崎だった。「今日はギリギリまで我慢して裏へ抜けだしてやろうと心がけていた。ゴールシーンは播戸さんから良いボールが来たので、もう蹴り込むだけだった」。その言葉通り、山崎は右足を躊躇なく振り切り鋭いシュートを叩き込んだ。勝利を手繰り寄せる貴重な先制点だったが、「決めた割にはオフサイドだと思ったので、余り喜べなかった」と山崎ははにかんだ。
 クラブW杯の準々決勝アデレード・ユナイテッド戦では、山崎は先発ではなくスーパーサブとして臨んだ。しかし、その試合で佐々木勇人が負傷。次の準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦でスタメンを張り1ゴール。この日のパチューカ戦でも先発出場し、2試合連続のゴールを蹴り込んだ。「(佐々木)勇人の分まで頑張ろうと思って試合に臨んできました。ACLやクラブW杯を通してガンバのスタイル、自分のスタイル、自分らしさを出して点を取れるようになってきた」。皮肉にもチームメイトの怪我でチャンスを掴みチームをクラブW杯3強に導いた山崎は、この大会で新たなキャリアを積み、確実に成長した。そして、チームと共に自分らしさや自分なりの強みを明確にできた忘れられない大会となった。

(取材・文 山口雄人)

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