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研究の成果、ファン・デル・サールがビッグセーブ連発

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[12.21 クラブW杯(FCWC)決勝 LDUキト0-1マンチェスターU 横浜]

 GKエドウィン・ファン・デル・サールの長い腕が、LDUキトの野望を打ち砕いた。キトの枠内シュートは3本。そのすべてが決定的なチャンスだった。後半4分に退場者を出し、数的不利に立たされると、キトの猛攻に遭った。後半18分にはコーナーぎりぎりを突いてきたMFマンソのミドルシュートを横っ飛びで弾き出す。同26分のW・アラウーホのシュートも冷静にキャッチ。後半44分には再びマンソが強烈なミドルを放ったが、これもスーパーセーブでCKに逃れた。「21番のマンソは非常にいい選手だった」と称えながらも「映像を見て研究していたので、ああ来るのは分かっていた」と余裕の発言。落ち着き払ったビッグセーブでキトの反撃を封じ込めた。

 今年で38歳になったベテランGKだが、そのプレーは衰えを知らない。「キャリアの後半に入って、こういうタイトルを得られてうれしい。一番になるのは何だってうれしいし、誇りに思う」。今大会では時差ボケに苦しみ、決勝前夜になってようやく熟睡できたという。「その年齢でこれだけのプレーができる秘訣は?」と聞かれると、「常に練習で鍛えているし、ちゃんと眠ることさえできればまだまだできるよ」と冗談交じりに笑っていた。

 「1週間ぐらい日本に来ているわけで、それだけ犠牲を払っているからこそ勝ちたかった。シーズン中にここまで来るのは大変だった。でもチャンピオンになれて楽になったし、残りのシーズンにもポジティブな影響を与えると思う」。G大阪との準決勝でも再三、好セーブを連発した195cmの長身GKが、その体以上に大きな存在感を発揮した大会だった。

(取材・文 西山紘平)

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