[12.25 天皇杯準々決勝 G大阪2-1名古屋 神戸ユ]

　天皇杯準々決勝は25日、残り1試合を行い、クラブW杯で3位に輝いたガンバ大阪が2-1で名古屋グランパスに競り勝った。前半13分にFWルーカス、同22分にDF中澤聡太がそれぞれゴールを決めると、名古屋の反撃を1点に食い止めた。G大阪の天皇杯4強入りは3年連続。準決勝は29日にG大阪vs横浜FM(国立)、F東京vs柏(エコパ)のカードで行われる。

　クラブW杯3位決定戦・パチューカ戦(1-0)から中3日のG大阪は同じ先発メンバーで臨んだ。システムは4-4-2で、GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大。中盤は遠藤保仁と明神智和がダブルボランチを組み、右サイドに橋本英郎、左サイドにルーカスが入り、播戸竜二と山崎雅人が2トップを組んだ。
　名古屋も4-4-2で、GK西村弘司、4バックは右から竹内彬、吉田麻也、増川隆洋、阿部翔平と並んだ。中盤は中村直志と吉村圭司のダブルボランチ、右に小川佳純、左にマギヌン。2トップは玉田圭司とヨンセンだった。

　試合は立ち上がりからG大阪が積極的なサッカーを見せた。クラブW杯からの連戦の疲労を感じさせない運動量で高い位置からプレッシャーをかけ、たびたび名古屋のパスをインターセプト。ボールを奪うと、連動した攻撃でゴール前に迫り、チャンスを量産した。
　前半13分、播戸のポストプレーから山崎、橋本とつなぎ、ラストパスを受けたルーカスが右足で豪快なミドルシュートを叩き込んで先制点。同22分にも右サイドのショートコーナーから橋本が逆サイドにピンポイントのクロスを送り、中澤がヘディングシュートを流し込んだ。
　あっという間に2点のビハインドを負った名古屋だが、全体的に運動量が上がらず、G大阪の厳しいプレスの前に攻撃に手詰まり感が漂った。前半ロスタイム、小川のインターセプトから玉田が左足でミドルシュートを狙ったのが数少ないチャンスだったが、これもゴールの枠を捉えきれなかった。

　名古屋はハーフタイムに竹内を下げ、FW杉本恵太を投入。杉本が右MFに入り、小川を右サイドバックに下げる積極的な采配を打ってきた。後半9分には左サイドからの阿部のアーリークロスに逆サイドから飛び込んだマギヌンがヘディングシュート。徐々に攻撃の歯車がかみ合ってきた。
　G大阪は後半13分、ルーカスのスルーパスに播戸が抜け出し、GKと1対1となる絶好機をつかんだが、播戸のシュートはGKが好セーブ。決定機を逃したことで、その後は名古屋の猛攻にさらされた。
　名古屋は後半14分に吉村をMF山口慶、同23分に玉田をFW巻佑樹に交代。小川がボランチに上がり、ヨンセンと巻のツインタワーでゴールを狙う。そして後半25分、吉田のロングフィードに絶妙のタイミングで飛び出した杉本がPA外から左足ダイレクトボレーをゴールネットに突き刺し、1点差に迫った。
　名古屋はさらに後半28分にヨンセン、同29分に杉本、同31分にマギヌンと立て続けに決定的なシュートを放ったが、いずれもGK藤ヶ谷が鋭い反応でブロック。G大阪は後半途中からガクッと運動量が落ち、防戦一方となったが、守備陣が体を張って最後まで耐え抜き、2-1で勝利。準決勝へのキップをもぎ取った。

(文　西山紘平)