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[選手権]鹿島学園、2年ぶり初戦突破(鹿島学園vs一条)

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[12.30 第87回全国高校サッカー選手権1回戦 鹿島学園(茨城) 1-1(PK3-2) 一条(奈良) 国立]

 鹿島学園(茨城)がPK戦決着となった開幕戦を制した。ともに2年ぶり4回目の出場となる鹿島学園と一条(奈良)との開幕戦は、1-1で突入したPK戦で鹿島学園GK長峰大樹(3年)が2本をストップ。3-2で勝った鹿島学園が2年ぶりの初戦突破を果たした。鹿島学園は09年1月2日に行われる2回戦(三ツ沢)で野洲(滋賀)と岐阜工(岐阜)の勝者と対戦する。

 茨城県大会決勝で水戸商にPK戦勝利している鹿島学園が再びPK戦を制し、白星をもぎ取った。ともに4-4-2システムを敷いた両チームの戦いは序盤、ともに緊張が目立ちボールが落ち着かない展開。その中で一条がMF小峠大樹(3年)、MF中城諒(2年)を中心とした、持ち味のパスサッカーで徐々に主導権を握っていった。そして前半31分、一条は左サイドでフリーとなったMF岡本一馬(3年)が鋭いクロス。相手DFの処理がもたついたボールがFW奥田和則(3年)の足元へとこぼれる。奥田のシュートをいったんはクリアした鹿島学園だったが、そのボールをPA内で拾った一条MF原田光(3年)が左足を振りぬくと、シュートはゴールへと突き刺さった。
 リードされて前半を終えた鹿島学園は「もっと思い切っていこうよ」という鈴木雅人監督(33)の言葉通り、後半、積極的に相手ゴールへと襲い掛かる。前半は右SB阿渡真也主将(3年)が攻撃参加した場面以外はなかなかチャンスを作れなかったが、司令塔のMF小谷駿介(3年)や2年生FW三橋隼斗が強引にシュートまで持ち込んでいった。そして迎えた後半17分、鹿島学園は小谷の左CKを中央に走りこんだ阿渡が頭で合わせる。「負けていたけど、チャンスは来ると思っていた」と振り返った主将の渾身の一撃で同点に追いついた鹿島学園は、このあと足が止まった一条を一方的に攻め続ける。FW忍穂井大樹(3年)、三橋のシュートが次々と一条ゴールを捉えていく。対して、一条はGK西井隆人(3年)が再三のスーパーセーブでPK戦にまで持ち込んだが、そこで力尽きた。
 1人目から2人連続で外した一条に対し、鹿島学園は1人目のMF小黒翔太(3年)から3人連続で成功した。一条も西井が相手の4人目を止めて意地を見せたが、最後は鹿島学園・長峰が一条・元木啓太主将(3年)のシュートをブロックし、試合終了。「止めればヒーローになれる。まだ終わりたくなかった」という守護神の活躍でPK戦勝利を収めた鹿島学園が、2回戦へと駒を進めた。

<写真>PK戦勝利が決まった瞬間、両手を広げて喜ぶGK長峰に鹿島学園イレブンが駆け寄る

(取材・文 吉田太郎)

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