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[天皇杯]G大阪vs柏 試合後の監督会見要旨

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[1.1 天皇杯決勝 G大阪1-0(延長)柏 国立]

 天皇杯は1日、国立競技場で決勝を行い、ガンバ大阪と柏レイソルが激突。試合は延長後半11分、途中出場のFW播戸竜二が決勝点を奪い、G大阪が1-0で競り勝った。G大阪の天皇杯優勝は前身の松下電器時代の90年度大会以来18大会ぶり。これで来季ACLへの出場権も獲得した。
 以下、試合後の監督会見要旨。

[ガンバ大阪]
西野朗監督
―優勝の感想は?
「素晴らしい選手、スタッフに感激しています。素晴らしいゲームをしてくれた。天皇杯優勝へプレッシャーと、結果にこだわらなくてはいけないというプレッシャーがあった。そして今年のACL出場権のプレッシャーがあった。クラブW杯が終わってからの選手の状態を考えると、勝てる状態では正直なかったと思う。天皇杯の3試合で、内容は満足いくものではなかった。でも選手たちの勝利に対する意識が非常に高かった。自分たちに潜んでいた見えない"力"を全員が引き出した。結果には当然満足しているし、選手を称えたい。本当に素晴らしい底力を出せたゲームだった」
―播戸を延長戦まで使わなかった理由は?
「昨年に比べるとフィジカル、メンタルもあがってきていたが、フィニッシュのところで得点ができない中で、彼もストレスを感じていた。彼が飢えているのは得点を取りたいという点。決して状態が悪いわけではなかった。でも、遠藤、明神、橋本達がいつ戦えなくなるのか分からない状況で、播戸に関しては何とか得点をという中での使い方だった」
―後半に橋本、遠藤のポジションを入れ替えた理由は?
「橋本は、今日判断力が遅かった。一度、彼には頭の中を倍速にしてくれといったが、それでも回復できていなかった。再び彼を呼んで指示を出そうとした時に、遠藤が変わろうと思うんですと言ってきた。遠藤には大丈夫かと確認した上で、彼のポジションを落とした。遠藤が言ってきたタイミングと、自分のタイミングが合致したので、思い切って攻撃にかけた」
―ACL連覇へ向けて、リーグのタイトル奪還に向けて必要なことは何か?
「本年度のシーズンにどういう編成で臨めるかという画が、まだ明確ではない。08年の国内リーグとACLをバランスよく戦えなかったので、今年何かをするというのはこれから考える。今年は韓国、中国のクラブが目の色を変えてくるだろうから、それに対して国内で力をつけていく中で参戦しないと苦戦すると思う。もう一度フラットにチームを考え直して、並行して力を出すという事が目標になるだろう」
―FCWCが終わって選手たちが燃え尽きてしまった部分はないか?
「バーンアウトになってもおかしくないほどやり尽くした。そんなCWCへのチャレンジだった。自分が最もバーンアウトしていたと思うが、選手たちは昨年ACLで優勝して今年度あの場にもう一度行くぞという意識を失っていなかった。選手のそういう気持ちに自分自身もひっぱられたかもしれない」
Q:遠藤の状態はどうか?
「試合中一度確認したら、変にアドレナリンが出ちゃって痛みがなくなったんですと言っていた。本当は痛みも感じながらやっていたんでしょうけど、元の彼に戻ったのではと思う瞬間も少しあった。ここ2日の遠藤をみていて、今日のパフォーマンスを期待できるものではなかった。だから今日は、彼がいけるところまでやろうと決めていた。本当にどこからああいう力が出ていたのか分からないが、素晴らしかった」


[柏レイソル]
石崎信弘監督
―試合を終えた感想は?
「3年間やってきた最後の試合、勝って終わりたかったので残念。ガンバが疲れていたので早めに勝負を決めたくて、スタートダッシュを心掛けた。しかし、そこで得点を取れなかった点が痛い。ガンバは天皇杯優勝に相応しいチーム。(年末からの連戦で)あれだけ疲労していてもあれだけの正確なプレーが出来る、やはり強いチームだった。3年監督をやってきて、J1に上がって2年目。これからはガンバのような強いチームになってほしいと思う。今日の試合をこれからの糧にして欲しい」
―3年間監督を務めて、最も嬉しかった事、また辛かった事は?
「嬉しかったのは、1年でJ1へ昇格したこと。それから、雰囲気の良いチーム環境でトレーニングや試合が出来たことです。辛かった事というのは、特にありません」
―敗因は?決勝戦のプレッシャーはあったか?
「決勝戦というプレッシャーはなかった。延長になってからはガンバにキープされボールを回されてしまった。しかし決定的なシーンではゴール前でキッチリと止めていた。しかしうちは攻撃が単調で、キープしてもすぐに奪われたりして守備に裂く時間が長すぎた。ポゼッションに関してはしっかりとキープして、スピードアップするところはしなければならなかった」
―3年間支えてくれたサポーターにメッセージを?
「楽しい3年間を過ごさせてもらった。それはサポーターのおかげ。06年は苦しんだ中でのJ1昇格、08年はなかなか勝てない時にサポーターが支えてくれた。とても感謝しています。これから強くなっていく中でも、今の雰囲気でチームを応援して頂きたい」
―試合後に選手たちにかけた言葉は?
「決勝戦で負けたのは悔しいが、胸をはって準優勝という結果に自信を持ってほしい。そういう話をしました」

(取材・文 山口雄人)

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