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[選手権]四中工の軸は唯一全国を経験しているMF稲森(四日市中央工vs山形中央)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 四日市中央工(三重) 2-0 山形中央(山形) 駒場]

 四日市中央工は2-0というスコア以上に内容で山形中央を圧倒し、3回戦に駒を進めた。速いテンポでパスをつなぎ、一気呵成にゴールに襲い掛かるのが四中工の真骨頂だが、そのパスワークの中心にいるのがMF稲森睦主将(3年)だ。
 選手権初戦となった山形中央戦では、開始2分に糸を引くような球足の長いスルーパスでいきなり決定機を作り出すと、その1分後のCKの場面では右足から鋭いボールを送り出して先制点を演出。中盤とDFラインをつなぐ中継点、決定的なパスの配給役として様々なリズムでタクトを振るい、攻撃にアクセントを加えた。
 「彼はボランチでも前目の意識を持っているので、トップ下のところでああいうプレーができているときがうちのペースだなと。ああいうセンスを持っている」と樋口監督も稲森には絶大なる信頼を置いている。
 稲森は1年生の頃からレギュラーを務め、SBとして全国の初舞台を踏んだ。その時の経験は「1対1とかにだいぶ生かされていると思います」。
 憧れの選手権に出場してから2年が経った。その時は先輩達に支えてもらって大舞台を経験したが、「(全国を)経験しているのは僕だけ」と今ではキャプテンとしてチームメイトを牽引する存在にまで成長した。
 「余裕というか、そういう気持ちが多少はあったかな」とメンタル的に少し弱いというチームを支えてきた背番号14が全国の舞台でもチームメートを引っ張っていく。
 四中工が1991年度以来となる全国制覇を果たすとしたら、その中心には間違いなく背番号14の姿があるはずだ。

(取材・文 神谷正明)

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