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[戦評][全日本ユース選手権]貪欲な高校王者(市立船橋高vs徳島ユース)

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[09.15 高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権1次ラウンドA組 市立船橋高 4-1 徳島ユース 秋津]

 全国高校総体で優勝した市立船橋高が貪欲に“シーズン後半戦”での結果を目指している。この日は、カウンターの際にしっかり人数をかけた攻めとFW中村雄太(18)の鮮やかなFK弾など、実力の高さを見せた徳島ユースに前半を1-1へ持ち込まれた。だが、市立船橋高は石渡靖之監督が「後半最初の15分にみんながスゴク集中して、みんなで点を取りに行くんだという意志を見せてくれた」と喜んだ動きでペースアップし3得点。粘る相手をねじ伏せた。
 サイドチェンジも有効に使いながら局面ではキーワードの「同サイド」の攻撃。左サイドではMF渡部雄史(18)とDF濱田宙(18)のU-18日本代表コンビで、右では先制ゴールを決めたMF若狭友佑(18)らがそれぞれのサイドからドリブルやコンビプレーで執拗に勝負を仕掛け、ゴールをこじ開けていった。
 
 今夏までにプリンスリーグ関東優勝、全国総体優勝と栄冠を獲得してきた。それでも「(選手には)結果出しているけどここから先は後半のシーズンだ、もう一回スタートしようという話をした」と石渡監督。1年間の折り返し地点までは好成績を続けたが、全日本ユース、全国選手権と続く「シーズン後半戦」でも勝つことが市船の目標だ。周囲のチームが研究してくる中、自分たちのレベルを上げなければ、勝ち続けることができない。そのための取り組みは全国大会の中でも行われている。この日は全国総体の優秀選手であるGK上福元直人(17)を先発から外し、控えGK店橋圭介(18)を起用。競争力アップのために抜擢された店橋は安定感の高いプレーで勝利に貢献し、期待に応えた。
 全国大会の厳しい試合で経験を積ませながらタイトルも狙う。目論見どおりの結果と内容。そして勝ち点3を獲得し、グループ2位へと浮上した。貪欲に成長することと勝つことを目指す高校王者が、クラブユース勢も含む「高校年代日本一決定戦」で、どのような結果を出すのかにも注目だ。
 
(取材・文 吉田太郎)

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