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[戦評][全日本ユース選手権]まるで横綱相撲のように(名古屋U-18vs福岡U-18)

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[9・22 高円宮杯第18回全日本ユース(U-18)選手権大会決勝トーナメント1回戦 名古屋U-18 3-1 福岡U-18 秋津 ] 

 プラン修正こそ強いられたが、昨年準Vの名古屋U-18(愛知)が実力どおりに福岡U-18(福岡)を仕留めた。
 朴才絃監督(35)の「前半30分で試合を決めたかった」という思惑に反して名古屋U-18は0-1で試合を折り返した。MF西山洋平主将(17)やMF安藤亮太(17)を中心に圧倒的にボールを支配しながら、狭いスペースを狙ったパスの精度が低く、しっかりと守備ブロックをつくっていた福岡U-18を崩せず。そしてわずか1本のシュートで1点を奪われてしまった。
 だが、名古屋U-18は全く慌てなかった。前半の4-3-3から後半3-4-3の攻撃的布陣へと変えると、試合の流れはあっという間に名古屋U-18へ傾いた。前半のサイドバックからポジションを前に上げた右の三島圭太郎(17)と左の中田健太郎(18)が果敢に攻撃参加を繰り返す。すると、U-18日本代表MF鈴木惇(18)を欠く福岡U-18は相手の波状攻撃の前に呼吸ができなくなり、後半9分からの8分間で3失点。右DF山下直人(17)のオーバーラップなどで抵抗も、後半は急激に運動量がなくなり、シュートは試合を通して2本しか打てなかった。
 「アビスパ(福岡U-18)は完全なチャレンジャーとして来ると。迎え撃つことになると思っていた」と朴監督。名古屋U-18は挑戦者の抵抗をまるで相撲の横綱のようにきっちりとねじ伏せ、準々決勝への切符をもぎとった。

(取材・文 吉田太郎)

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