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[戦評][全日本ユース選手権]勝負強さをもたらした広島Yの攻撃力(G大阪vs広島ユース)

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[09.24 高円宮杯第18回全日本ユース(U-18)選手権大会準々決勝 G大阪ユース 1-3 広島ユース 秋津]

 注目のクラブユース対決は広島ユースが制した。試合後、森山佳郎監督がまず評価したことはこのチームが持つ「粘り強さと勝負強さ」だった。この日は日本クラブユース選手権優勝のG大阪ユースに最終ラインの裏のスペースを突かれ先制を許したが、3点をもぎ取って逆転勝利。1次ラウンドではU-17W杯日本代表メンバーをそろえる横浜Mユースとの点の取り合いを3-2で制し、決勝トーナメント1回戦でも東京Vユースを後半終了間際の決勝点で3-2で破ってきた。そして「強い相手の時ほど力が出る」(森山監督)という底力をクラブ王者との一戦でも発揮。1次ラウンドではグループの4チームすべてがJクラブユース勢、そして決勝トーナメントでも最激戦区とみなされていたブロックで、いずれもぎりぎりの戦いを競り勝ってきた力を再び見せつけた。

 接戦を広島ユースに傾けさせているのは森山監督が「高校のチームには簡単には止められないでしょう」と自信を見せる攻撃陣。この日は開始6分に1点ビハインドを背負っても、13分にゴール前で泥臭くつないで同点に追いつき、27分にはMF岡本知剛の左FKにMF横竹翔が飛び込み勝ち越した。左FWの大崎淳矢が果敢な突破を図り、右FW不老祐介がゴール前のスペースに飛び込むなど、とにかく積極的に前を向いて攻めるスタイルが、G大阪守備陣にプレッシャーをかけていく。遠目の位置からでもスキを見せればMF内田健太の左足ミドルが容赦なくゴールを襲った。攻めてペースを握った広島ユースは後半9分にも右FKに横竹が飛び込み3-1。その後もFW中野裕太のスルーパスに反応した不老が決定的シュートを放つなど、4点目を狙い続けて試合も押し切った。
 1失点は全くの許容範囲。失点を跳ね返しながら頂点へ一歩一歩確実に歩みを進めていく広島ユースの力強い歩みを止めるのは、今後も簡単ではなさそうだ。

(取材・文 吉田太郎)

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