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[戦評][全日本ユース選手権]緊迫した試合の勝敗を分けたミス(広島ユースvs名古屋U-18)

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[10.06 高円宮杯第18回全日本ユース(U-18)選手権大会準決勝 広島ユース 3-2 名古屋U-18 国立競技場]

田村修一の「視点」 

 延長戦での決着となった試合はどちらが勝ってもおかしくない展開だったが、結果的にミスが出た方が負けた。
 後半12分に先制された名古屋U-18は、直後から布陣を4-3-3から4-4-2へ変えてペースを握っていた。そして後半ロスタイムに追いつき、延長前半7分にFWアルベスのゴールでリード。だが直後に広島MF岡本にハーフウェーライン付近からのシュートを入れられてしまうミスが出た。あの緊迫した展開では絶対にやってはいけないこと。試合中での小さなミスはともにあったが、あの場面で得点となってしまうミスが出たのは痛かった。延長戦の勝ち越しゴールで勢いづけたはずなのに、一気に勢いを失ってしまった。名古屋U-18は非常にナイーブなミスで勝利を手放してしまった印象だ。
 
 一方、3年ぶりに決勝進出を決めた広島ユースだが、この日はアグレッシブさに欠けていた。もっと攻撃的な試合をするのかと思っていたが、相手のカウンターを警戒していたのか、攻める姿勢がやや希薄だった。確かに個の力は名古屋U-18より上でゲームを支配していたが、1点を取った後に攻めて2点目を取りに行くのか、1点を守るのかも曖昧。チームの中でのゲームプランがブレてしまっていた。前線は攻めようとしているのに、守備陣は引いてしまって中盤のプレスはかからず、名古屋U-18につけ入るスキを与えてしまっていた。
 広島ユースが決勝でいい試合ができるかどうかは、準決勝で出た課題の修正とスピーディーな攻撃ができるかどうかにかかると思う。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

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