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[戦評][全日本ユース選手権]日本一を決める試合としては残念だったスキルの低さ(広島ユースvs流通経済大柏高)

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[10.08 高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権大会決勝 広島ユース 0-1 流通経済大柏高 埼玉]

田村修一の「視点」

 内容と結果とが順当な試合だった。流通経済大柏高はゲームを支配していたし、ピッチで表現していたサッカーのクオリティも高かった。彼らとしては会心のゲームであり、広島ユースにとっては不満の残る内容だったのではないか。
 どちらもテクニックは高いと思った。ただ、この年代の日本一を決める試合としては、ちょっと残念な試合でもあった。その理由は世界と比べるとスキル、その精度が高くなかったから。U-17ナイジェリア代表の方がスキルは絶対上だし、他国でもコロンビアあたりの方が全然高いレベルにある。日本はまだ判断の正確さとその速さに欠けている。両チームともに単純なミスがあり、その頻度も多かった。広島ユースにほとんど攻めさせなかった流通経済大柏高は、そつなく守っていたという言い方もあるかもしれないが、相手のミスを前提としたサッカーをしていた印象。攻撃面では崩していた場面も多かったけど、どちらかというとリアクション的なスタイルだった。4点を決めた浦和ユースとの準決勝も相手のミスから奪ったゴールであり、自らアクションをかけて崩したという場面は少なかった。
 日本のこの年代全てに言える事だが、対人のスキルがものすごく低い。そこを上げていかないとサッカーのレベルは上がっていかないと思う。流通経済大柏高は技術を生かしたスキルフルなサッカーをしているから、よりレベルを引き上げるために対人のスキルを向上させて欲しいと感じた。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

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