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惜別のACL大一番で“首位突破条件”の3-0完勝…横浜FMマスカット監督「特別なクラブだなと思う」

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ケヴィン・マスカット監督

[12.13 ACLグループG第6節 横浜FM 3-0 山東泰山 横浜国]

 2021年夏にアンジェ・ポステコグルー前監督の後を継ぎ、22年にはJリーグ優勝に導いて覇権の歴史をつないだ横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督が、2年半のラストマッチでクラブの未来に大きな置き土産を残した。

 横浜FMは13日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループリーグ第6節で山東泰山と対戦。グループ3位で最終節を迎えたため、1点差で勝っても敗退濃厚という厳しい条件だったが、3-0の勝利で首位でのグループリーグ突破を決めた。ACLは今大会から秋春制に移行しており、トーナメントはJリーグシーズン制の来季に行われる中、アジアタイトルの希望をつなぐ結果をもたらした。

 試合後、今季限りでの退任が決まっているため、残りの大会を後任に託すマスカット監督は「選手たちを誇りに思う。素晴らしいパフォーマンスをしてくれたし、クラブを代表した表現をしっかりとピッチ上でしてくれた」と選手たちを称賛。「何度も言っていることだが、特別なクラブだなと思う。このような結果で最後の試合を終えることができて嬉しく思う」と喜びを語った。

 2点差以上の勝利が必要という突破条件にも不安はなかった。「ゴールを決めるという部分は一番難しいところで、2点差以上を積まないといけなかったが、全く怖がる必要はないよと。今日だけが2点以上取らないといけないわけではないし、毎試合望んでいるのは大量のゴールだと伝えていた。これまでも2点差以上取っている試合がいくつもあった中、自分たちのサッカーをすれば必ずと思っていた」。

 その言葉どおり、チームは前半終了間際にFWエウベルが先制点を決めると、後半12分には流れるようなビルドアップからFWアンデルソン・ロペスが追加点を奪取。ここで突破条件は揃ったが、後半19分にFWヤン・マテウスが美しいループシュートで3点目を決め、“三つ巴”のグループで首位通過に持ち込んだ。

 ゴール後にはマスカット監督も珍しく喜びの輪に入った。「率直に言って、本当に美しいゴールだったからというのがある。今季最後のゴールというのもあったし、素晴らしいゴールだった。この2年半、たくさんのゴールをこのチームで見てきて、たくさんの思い出深いゴールもあったが、あれは特別なゴールになったと思う。本当に美しいゴールだった。こうした美しいゴール、美しいフットボールを見にたくさんのお客さんが来ているんじゃないかなと思う」。やや目を潤ませながら感慨を口にし、サポーターとの別れの場に向かっていった。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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