beacon

横浜FMがACL決勝トーナメント進出!! GL3位敗退危機から最終節で逆転首位突破

このエントリーをはてなブックマークに追加

最終戦となったケヴィン・マスカット監督

[12.13 ACLグループG第6節 横浜FM 3-0 山東泰山 横浜国]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は13日、グループリーグ第6節を行い、横浜F・マリノス山東泰山(中国)に3-0で勝利した。グループ3位で最終節を迎え、1点差で勝っても敗退濃厚という厳しい条件の中、3点差の勝利で得失点差を大きく回復。3チームが勝ち点12で並んだ“三つ巴”グループを逆転で首位通過した。

 横浜FMは今月3日のJ1最終節・京都戦(●1-3)以来の公式戦。7日にはケヴィン・マスカット監督の今季限りでの退任が発表された中、自力でのグループリーグ突破のためには2点差以上での勝利、あるいは4得点以上での1点差勝ちが必要という条件の下、指揮官のラストマッチに臨んだ。[スタメン&布陣]

 試合は5-4-1の守備ブロックを組む山東に対し、横浜FMが攻めあぐねるという構図。サイドを使ってボールを動かそうと試みるも、決定的なシュートには至らない。前半24分、ショートカウンターから松原が右サイドを攻め込み、アーリークロスにFWアンデルソン・ロペスが反応。ようやく決定的なシーンを迎えたが、一歩遅れてシュートを打てなかった。

 その後は局面で山東の選手がラフなタックルを見せる場面が頻発。前半42分にはセットプレー攻撃をキャッチしたGK一森純がパントキックに移ろうとするも、DFジャジソンに衝突された。この行為に抗議したMF喜田拓也も押し倒され、スタジアムは一時騒然ムード。ジャジソンにはイエローカードが提示された。

 そうして迎えた前半アディショナルタイム4分、横浜FMがようやく試合を動かした。DF角田涼太朗の浮き球の縦パスをFWヤン・マテウスが収めると、最終ライン裏にスルーパスを供給。これに抜け出したFWエウベルがスピードで振り切り、うまくGKをかわしてネットに流し込んだ。

 後半は山東が先に決定機を創出。後半6分、横浜FMはDF吉尾海夏がDFジョン・ジョンにボールを奪われ、カウンター攻撃を受けると、FWクリサンの折り返しをMFリャオ・リーションに右足ダイレクトで合わせられた。だが、これは大きく枠を外れ、命拾いした。

 すると後半12分、横浜FMが再び得点を重ねた。最終ラインで前を向いた角田が右のハーフスペースに縦パスを入れると、ここに潜り込んだ喜田がうまく受け、さらに右に展開。ヤン・マテウスがドリブルで仕掛け、深い位置までえぐると、折り返しのパスをA・ロペスが決めた。これで2-0。そのまま試合を終えればグループリーグ突破が決まる状況に持ち込んだ。

 それでも横浜FMは止まらない。後半19分、相手のカウンターをMF渡辺皓太が冷静なトラップで防ぎ、エウベルに預けてカウンターを開始。エウベルは鋭いターンで前を向き、スルーパスを送り込むと、これに反応したヤン・マテウスがドリブルで持ち出し、飛び出しかけたGKの頭上を越えるループシュートを流し込んだ。

 このまま行けば横浜FMはグループ首位通過という状況。後半25分、エウベルとMFナム・テヒに代わってFW宮市亮とFW西村拓真を入れ、さらに前傾姿勢を強める。その後はやや押し込まれる時間帯も続いたが、失点しないままタイムアップ。勝っても敗退という可能性もあったなか、ミッション通りの大量得点でグループリーグ首位突破を決めた。

 日本勢からは横浜FMの他、川崎フロンターレ、ヴァンフォーレ甲府が決勝トーナメントに進出。1回戦(ラウンド16)の相手は今月28日の組み合わせ抽選会で決まる。

(取材・文 竹内達也)
●ACL2023-24特集

竹内達也
Text by 竹内達也

TOP