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「悪い勝ち点1ではない」、柏は今季公式戦8試合目で初の無失点

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[4.4 ACL第3節 柏0-0広州恒大 柏]

 日中王者対決は痛み分けに終わった。Jリーグ王者柏レイソルはホームに昨季の中国スーパーリーグ(CSL)を制した広州恒大(中国)を迎え撃ち、0-0のスコアレスドロー。豊富な資金力を武器に急成長を続ける難敵と勝ち点1を分け合った。

「両チームにとって、勝ち点2を落としたというより、勝ち点1を取り合った試合」とネルシーニョ監督が評した一戦。MFレアンドロ・ドミンゲスも「結果には満足していないが、相手も質の高い、いいチームだった。自分たちも相手もやるべきことをやったし、お互いに勝つチャンスはあった。引き分けに終わったのはしょうがない」と悔しさをのぞかせながら、引き分けという結果を受け入れた。

 クラブがチケットを用意して日本在住の中国人留学生を大量に動員し、アウェーを感じさせない雰囲気をつくりあげた広州。その声援に背中を押されるように選手たちは立ち上がりから積極的なプレッシャーと出足の早さで柏を押し込んだ。

「前半の15分ぐらいは激しいプレッシャーを受け、プレーするのが難しい時間もあったが、その後はある程度自分たちのサッカーができるようになった。後半は自分たちのペースで試合ができる時間が増えたが、最後のマークのところでズレがなく、決め切ることはできなかった」

 そうレアンドロが振り返ったとおり、後半は徐々に両サイドからチャンスをつくっていったが、単調なクロスも増え、ゴールをこじ開けることはできなかった。柏は31日のJ1磐田戦(0-1)に続いて公式戦2試合連続の無得点。MF大谷秀和は「組み立てのところで課題はまだある」と指摘しながらも、「これまで無失点(の試合)がなかったのは気になるところもあった。そこはよかった」と、今季公式戦8試合目にして初の無失点に胸をなでおろした。

「去年も押し込まれながら我慢しての戦いが多かった。今日も最後は体を張れていたし、そこは前向きに考えたい」。リーグ戦もACLも波に乗り切れないが、必要以上にネガティブになる必要はない。「(勝ち点)ゼロよりは1の方がいい。ホームで3を取りたかったけど、悪い勝ち点1ではない」。一歩一歩、王者の強さを取り戻していくだけだ。

(取材・文 西山紘平)

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