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ユース取材ライター陣が推薦する「クラセン注目の11傑」vol.1

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森田記者が推薦するGK小林将天(FC東京U-18)

 ゲキサカでは7月23日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集! 「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義記者による11名です。

 森田記者「地域を超えて全国の強豪たちと激突するクラブユース選手権は、選手がどこまでできるのかをチェックし、トップチーム昇格の基準になっている大会。この先のステージを掴み取るため、チームの勝利と共に個々のアピールに励む姿が印象的でもあります。将来性十分な選手が各チームにたくさんいる中、今回はその中でもプロでも見てみたいと思える明確な特徴を持った11人を選出しました。進路がかかった高校3年生だけでなく、1、2年生も選出している通り、年齢関係なくプロの舞台を掴めるのがJのアカデミーの特徴。一人でも多くの選手がこの舞台を機に羽ばたいてくれることを期待しています」

以下、森田記者が推薦する11名

GK小林将天(FC東京U-18、3年)
1歳上のU-19日本代表でもプレーする守護神は190cmの巨体を生かしたハイボールへの対応とシュートストップが売り。最近は「ただ単にゴールを守るのではなく、まずは決定機を阻止する回数を減らすプレーに着目している」とコーチングなどで打たせない守備も磨き、チームを勝たせる守護神になりつつある。

DF大田湊真(名古屋グランパスU-18、3年)
センターバックとして小柄だが、対面するFWには滅法強い。「声でボランチやFWを動かし、自分の所に誘導させようと意識している。そこでインターセプトしたり、球際を作るのが得意なプレー」。そう明かす通り、上手く自らの所へ誘導し、ガツンと奪い切る姿は頼もしい。苦手意識のあった足元も昨年からプレミアを経験し、向上。

DF本間ジャスティン(ヴィッセル神戸U-18、3年)
風貌が似ている酒井高徳の“影武者”として注目されるが、選手としても光る物を持っている。「足には自信がある」と胸を張る通り、持ち味は50mを6秒以下で走るスピード。元々はセンターバックだったが、昨年5月に怪我人の穴を埋めるべく右SBに転向すると上手くフィット。前方の選手と上手く絡みながら右サイドを駆け上がり、クロスを送る。

DF林奏太朗(サガン鳥栖U-18、3年)
兄は横浜FCでプレーする倖多郎。「攻撃面は自分の方が上手いと思うのですが、絶対に負けないという気持ちの所や対人は全くお兄ちゃんの方が上」と自己分析するが、冷静な読みを活かした守備力がキラリと輝き、左足での配球も上手い。「CBはあまり目立たないポジションだけど、ピッチで一番輝ける選手になりたい」と口にする。

MF揚石琉生(栃木SC U-18、3年)
小学生の頃から栃木SCのファンで中学からアカデミーでプレー。今年6月に行なわれた天皇杯でトップチームデビューを果たした。180cm近い身長と質の高い左を備えたボランチでパスでリズムを作りながら、スペースを上手く見つけて中央を前進していく。「元々は自分のプレーだけみたいな選手だった」が今は守備にも奮闘し、攻守への貢献が高い。

MF川合徳孟(ジュビロ磐田U-18、2年)
組み立てセンスが目を惹くプレーメーカーで、「田中碧選手やイニエスタ選手のプレーをよく見て、周りを見ながらゲームを安定させようとしている」。的確にパスを散らして攻撃のリズムを作りながら、タイミングよくゴール前にクサビを打ち込んでいく。プレーを見ると、“攻撃の絵が描ける選手”との表現が思い浮かぶタイプだ。

MF尹星俊(京都サンガF.C.U-18、1年)
決して派手なプレーはないが、彼がいるといないではチームが違う。「戦う気持ちや頭の部分、インテリジェンスが秀でている」と評するのは石田英之監督。的確なポジショニングで相手の嫌がる所に立ちつつ、ここぞの場面では闘志を全面に出してボールに絡んでいく。1年生ながらも、すでにチームに欠かせない存在となっており、全国でも注目されるのは間違いない。

MF中川育(サンフレッチェ広島ユース、3年)
サイドハーフというよりは、サイドストライカーとの表現が良く合う。ネイマールの参考しているドリブルが持ち味で「相手の軸足を見て、足を出したタイミングで、スピードに乗るように意識している」。左サイドに定着した昨季の途中から、カットインからのシュートに磨きがかかっており、簡単には止められない。今夏はブレークの予感が漂う。

FW田中侍賢(清水エスパルスユース、3年)
中3からユースで出場機会を掴む実力は伊達でない。「この世代ではナンバーワンと言われるぐらい、存在感を出していきたい」と口にするアタッカーは、「ガツガツ行くより、相手をいなすのが自分のプレースタイル」。相手の逆をうまくとるドリブルからのシュートや、左利きならではの独特な感覚を活かしたプレーが光る。

FW七牟禮蒼杜(V・ファーレン長崎U-18、3年)
抜けて良し、競って良しのマルチなストライカー。今年3月には2週間の日程でドイツ、レバークーゼンの練習に参加し、「個の力の重要性を感じた」。ヨーロッパの屈強な選手と対峙し、重要性を感じた背中の筋肉と上でのアップに励むと共に相手DFの視界から消える動きを意識。より完成度の高いストライカーへの変貌を誓う。

FW木許太賀(大分トリニータU-18、3年)
攻撃センスの高さが目を惹くアタッカーで、相手に捕まらない位置で上手くボールを引き出し、スルスルと前進してスルーパスやフィニッシュに持ち込む。今年に入ってからはトップチームの練習にも参加。「ハードワークができるし、ボールを失わない」と野村直輝のプレーを参考に、ハードワークの意識を高めた結果、ピッチでの存在感が増している。

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、ヤンサカ、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
●【特設】第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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