[6.13 J2第19節 山形1-2湘南 NDスタ]

　J2の第19節が13日に各地で行われた。首位モンテディオ山形はホームで5位湘南ベルマーレと対戦し、1-2で競り負けた。一時は同点に追いつくも、突き放されての悔しい敗戦。3戦ぶりの敗戦で首位から3位へ順位を落とした。一方、勝利した湘南は首位・千葉と勝ち点3差の4位へ順位を上げた。

　京都との上位対決となった前節で引き分けた山形は、2戦ぶりの白星をめざして序盤から果敢に仕掛ける。MF宮阪政樹の右クロスにFW山崎雅人が飛び込み、シュートを狙うが枠を捉えることはできない。湘南DFに身体を寄せられるとわずかにポスト右へ外れた。その後もFW萬代宏樹やFW中島裕希が果敢にゴールをめざすが、ゴールネットは揺らせない。

　すると守備の時間が続いた湘南が前半終了間際に試合を動かす。前半42分、右サイドで受けたMF古林将太が中央へ折り返す。FW古橋達弥がボールキープし、DFを引きつけると後方のMF永木亮太へパス。永木がPA手前からミドルシュートを放つと、これがわずかに古橋に当たり、コースが変化。そのままゴールネットを揺らし、湘南が先制した。昨季中央大から加入した永木にとっては今季初ゴール。湘南がリードを奪い、1-0で前半を折り返した。

　後半に入り、山形は1点を返そうと奮闘する。後半8分には中央でボールを奪ってカウンター。山崎がドリブルで駆け上がり、右サイドへ展開。中島が走り込んだがDF大野和成にスライディングで阻まれた。シュートは打てない。ここで獲得した右CKからもチャンスを演出する。宮阪が蹴り込んだボールからゴール前混戦、最後は萬代が押し込むがゴール内の古橋がクリア。古橋の手に当たったかに思われたがノーホイッスル。そのままプレーは続いた。

　後半20分には逆転のビックチャンス。宮阪の右クロスをファーサイドのMFハン・グギョンがクリア。PA右でこぼれ球を競り合った際に、DF小林亮がMF高山薫に倒されてPKを獲得した。キッカーを務めるのは山崎。しかし、ゴール右隅への右足シュートはGK阿部伸行に両手で弾かれた。相手守護神のビックセーブもあり、この日の山形は1点が遠い。

　その後も苦しい時間の続いた山形だったが、宮阪の右足が試合を動かす。後半32分、PA手前左でパスを受けたMF船山祐二が後方からきた永木に倒されて、FKを獲得。宮阪の右足から放たれたボールは、わずかに壁に当たるとゴールネットを揺らした。湘南にとっては警戒していたはずのセットプレーから失点。1-1と試合は振り出しに戻された。

　しかし、上位陣に食らいつくために何としてでも勝利の欲しい湘南は失点にも肩を落とすことなく攻め続ける。すると失点からわずか3分後の後半35分、右サイドでパスを受けた永木が逆サイドへ浮き球パス。抜け出した高山がワンバウンドしたボールの芯を捉え、左足シュートを叩き込んだ。湘南が2-1と2度目のリードに成功した。

　その後は一進一退の攻防が続くが両守護神の奮闘もあり、試合は動かない。2度目の同点をめざして必死に攻め込む山形だったが、シュート精度を欠き、2点目は奪えず。GK阿部が最後まで奮闘みせた湘南が2-1で勝利し、連勝を飾った。

　試合後、決勝点を決めた高山は「相手の流れになってしまったのも自分の与えたファウルのせいだと思っていた」と話すと、だからこそ勝ち越しゴールについて「少し安心しました」と表情を緩ませた。湘南にとっては9戦ぶりの白星を獲得した前節・富山戦に続いての連勝。順位も首位と勝ち点3差の4位に上がった。ここから再び快進撃をみせられるか。