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[総理大臣杯]六平、安同時投入の後半2発!好守も光る中央大が昨年決勝の雪辱勝利!

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[7.10 総理大臣杯2回戦 中央大3-1大阪体育大 長居]

 2012年度 第36回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント2回戦で昨年日本一の大阪体育大(関西2)と同準Vの中央大(関東4)とのカードが実現。昨年の決勝で敗れている中大がSB古賀鯨太朗(3年=大津高)の2ゴールなど3-1で勝ち、雪辱を果たした。中大は12日の準々決勝で早稲田大(関東1)と対戦する。

「きょうは死に物狂いでやりました。前はタレントが揃っている。後ろは後ろで気持ち張ってやっている。見といてください!」とCB木下淑晶(4年=作陽高)。大学ナンバー1MF六平光成(4年=前橋育英高)と川崎フロンターレ加入内定のFW安柄俊(4年=東京朝鮮高)を後半開始から同時投入して大体大を突き放した中大だが、この日は守備陣の奮闘ぶりが際立った。相手の縦パスを木下が鋭い出足で再三インターセプトすると、コンビを組むCB安田隆(4年=三菱養和SCユース)も堅い守りに加え、わずかなスペースを見つけて中央をドリブル突破するなど相手の脅威となった。

 このCBコンビとMF田仲智紀(4年=浦和ユース)とMF細見諒(3年=C大阪U-18)のダブルボランチ、そしてGK岡西宏祐(4年=山梨学院高)によって構成されるブロックについて白須真介監督は「(自身の中で彼らの存在は)絶対。彼らがチームを支えてくれた」と厚い信頼を寄せていたが、雪辱勝利には大会屈指の強力アタッカー陣を支える守備陣の力が欠かせなかった。

 前半32分、中大は田仲の右CKに古賀が飛び込むと、相手DFに当たったボールがそのままゴールへ吸い込まれて先制(記録は古賀の得点)。左サイドで抜群のスピードを発揮したMF田上勇輝(4年=開志学園JSC高)のドリブル突破にやや手を焼いたものの、大体大注目の1年生FW澤上竜二(飛龍高)にほとんど仕事をさせることなく、相手をシュートゼロに抑えて試合を進めていく。前半終了間際にカウンターからMF山田貴文(2年=日章学園高)に左足シュートをねじ込まれ「攻撃が絶対に点を取ってくれる。だから守備は絶対ゼロ」(木下)というミッションをクリアすることはできなかったものの、怪我明けでエース不在の前半に一度もリードを与えず、後半は無失点で守り切った。

 試合を通してほぼ主導権を握っていた中大。前半はスペースへ飛び出すアタッカーに正確なロングボールを入れて攻めていたが、指揮官が「前半は前がドタバタしていたところを彼が変えてくれた」と評したように、後半は圧倒的な存在感を放つ六平が緩急自在に絶妙なタクトを振るう。ボールを失う気配すら感じさせずに動き続けた背番号7ら攻撃陣が後半、パスゲームを披露。そして2得点で守備陣の奮闘にも応えた。

 後半2分、田仲の左CKをニアサイドへ飛び込んだ安が頭で合わせる。ボールはクロスバーを叩いたものの、跳ね返りを古賀がゴールへと沈めて勝ち越した。大体大は21分に田上の中央突破から山田がつないで、最後は澤上が豪快な左足シュートを放ったものの、ボールは物凄い衝撃音とともにゴールマウスを直撃。同点に追いつくことができない。逆に中大は27分、自陣から10本以上のパスをつないで敵陣へ持ち込むと「一発で(局面を)変えればDFがついてこれていなかった」という六平の展開から、MF田辺圭佑(3年=成立学園高)とSB今井智基(4年=大宮ユース)のコンビで右サイドを崩して今井がラストパス。10番・田仲が冷静に左足シュートを決めて3-1へと突き放した。

 後半39分には圧倒的なパワーで最前線での競り合いを制した大体大・澤上にGKとの1対1へ持ち込まれたが、中大はGK岡西の好守で得点を許さず。白須監督が「リベンジするためには昨年のメンバーを連れてこないといけない。(選手たちには)自分たちが上にいくための一戦だと言った」と説明した雪辱戦で快勝を収めた。

 攻撃面に関して六平は「いい感じで崩せていると思います。フィニッシュの精度だけ上げれば、きょうももっと点が入ったと思う」。六平、安が不在だった前半もFW皆川佑介(3年=前橋育英高)が高い攻撃力を発揮し、FW砂川優太郎(2年=広島ユース)やMF澤田崇(3年=大津高)といった将来性豊かな才能が控えるなど多彩な攻撃陣。そして守備陣も充実している中大が関東予選王者・早稲田と戦う準々決勝も突破する。

[写真]後半2分、勝ち越しゴールを決めた中央大・古賀と細見(右)が歓喜のタックル?

(取材・文 吉田太郎)
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