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フットサル日本代表に初参加のカズ「一番最初にバスに座った」

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 フットサル日本代表は24日、愛知県内でトレーニングキャンプを開始した。フットサル日本代表に初めて招集された横浜FCのFW三浦知良は、サッカーA代表時代の『指定席』である最後列の左、通称『キングシート』に座って練習場に現れた。

「今日はね、早めに(バスに)乗って座っていた。ギリギリに行って座っている選手に『ドケッ』って言うのも悪いからね。『そこ、オレの席』とも言えないでしょ(笑)。だから20分前に一番乗りで座っていた。2回目からはもう分かってくれるかな。一応、僕も気を使っているんです」と、練習後に冗談を飛ばした三浦は、初練習中からすっかりチームに溶け込んだ様子だった。

「A代表と同じ気持ちで臨みたい」と語っていた三浦だが、バスの中では10年以上にわたってフットサル日本代表で活躍を続ける“フットサル界のキング”ことFP木暮賢一郎から、フットサル日本代表の歴史を聞いていたという。

「バスの中では木暮くんと話をしました。フットサル日本代表の最初の頃の話を聞いて、10年以上も前の人たちがいろんな思いでやってきて、今の状況がある。そういう思いが詰まっている」と、サッカー日本代表とは別の代表の重みを胸に刻んだ。

 フットサル日本代表の練習着は、サッカーの青とは異なりピンク色だ。それでも「胸にエンブレムが付いていますので。ホテル着を含めて、こういう練習着を着ても、ピリッと引き締まるものがありますし、誇りに感じます」と、熱望していた代表のウエアに袖を通した感想を語った。

 ミゲル・ロドリゴ監督も「これほどまで反響があるとは思わなかった」と語るように、普段は10人もいない報道陣が、この日は68人も足を運び、場所が公表されていないにもかかわらず約70人のファンが練習を見守った。中には横断幕を用意して駆けつけたサポーターもおり、三浦は彼らに感謝の言葉を語っている。

「今まで応援してくれたファンの方々は、僕と同じ思いで戦ってくれていると思います。まさか今日、横断幕をつくって来てくれるとは思いませんでした。サプライズでしたね。(代表で戦う)責任感を感じていますし、楽しんでやりたい。こうして集まってくれたファンのためにも良いプレーをしたいと思います」

 ミゲル監督は「昨日、多くの選手はFリーグの試合に出ていたため、今日はリカバリーメニュー」と話したが、そのミニゲームでも、三浦は3得点を挙げて、ミゲル監督が期待する決定力の高さを見せつけた。「『以前に出たFリーグの試合で一番シュートが多かった』とミゲル監督も言っていましたし、そこを買われていると思うので。フットサルはサッカーより、短い時間で多くのシュートチャンスが巡って来るから、どんどん打って行きたいし、打てる位置にいたい」と語る三浦は、サッカーでも常にやってきたように、監督が求める役割を全うしようとしている。

(取材・文 河合拓)

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