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合宿初日を終えたFP森岡「もっと長ければいいのに」

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 FP三浦知良の代表初招集は、多くのフットサルファンにとっては予想外のことだが、FP森岡薫の初招集は、待望の招集と言えるだろう。Fリーグで唯一2度のMVP`を受賞した点取り屋は、8月にペルーからの帰化が認められて、悲願だった日本代表に選出された。合宿初日を終えた森岡は「雰囲気が良かったですし、練習前からいろいろなサポートをしてくれたので入りやすかった。あっという間に終わりました」と、充実の表情で振り返る。

 日本代表のエンブレムが入った練習着は、やはり特別だったようだ。「練習着ですけど、重みがありますね。着た瞬間に身が引き締まりました。1回1回の練習から、しっかりやろうとあらためて思いました」と、振り返る。

 フットサル日本代表は初選出の森岡だが、所属する名古屋オーシャンズでは、2011年のAFCフットサルクラブ選手権に優勝するなど、日本を代表して海外のクラブと戦っている。それでも、クラブと代表では、全く異なるものだという。「クラブでは日本のリーグを代表してやっていますが、『名古屋』のクラブなので。でも、日本代表は国全体を背負って戦うものですから、違うと思います」。

 日本はW杯で、ブラジル、ポルトガルと同じグループになった。ミゲル・ロドリゴ監督が「世界のトップ4に入る国のうち、2つと同じ組に入った」という難しいグループである。森岡は「本大会を戦う代表メンバーに選ばれたら」と前置きした上で、臆せずに戦うことがカギになると語った。

「自信がなければ、良い試合は絶対にできない。ブラジルが相手でも、ポルトガルが相手でも、相手を下から見るのではなく、同じ目線で見るつもりで戦いたい。そして『アイツが選ばれて良かった』と思われるようなプレーがしたい。僕にとっては、最初で最後のW杯かもしれないので、楽しみに行くのではなく、真剣に結果を残したい。今までグループステージを突破できなかった分、僕にとっても、チームにとっても大きな目標なので、そこに向けて、良い雰囲気で臨みたいです」

 初日はリカバリーがメインであり、戦術練習は行われなかった。明日からのテーマは何かと問われた森岡は「みんなとしっかりコミュニケーションをとること。セットプレーも全部覚えたいですし、あとはケガをしないこと。次の練習にも呼ばれるように、しっかり練習に取り組みたいです」と、次々と課題を口にした。

 待ち続けてきた時間が長かっただけに、代表で過ごす時間が経つのは、早く感じるのだろう。

「僕にとっては何もかもが新鮮です。この後、ホテルに帰って、みんなで夜ご飯を食べるのも楽しみ。3日間、あっという間に過ぎてしまう気がしますね。もっと長く(代表合宿を)やればいいのにね」。

 日本代表の練習着に身を包んだ森岡は、そう言って実に幸せそうに、笑った。

(取材・文 河合拓)

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