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FP稲葉(浦安)「カズさんの力を借りつつ、プライドを持って臨む」

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 日本サッカー協会は20日、24日から名古屋で行われるフットサル日本代表合宿の参加メンバーを発表した。そのメンバーに選ばれたFP稲葉洸太郎は「アジア選手権で良い流れができた。そのプライドを持って合宿に臨みたい」と意気込みを語っている。

 日本代表は前回王者のブラジル、FPリカルジーニョを擁するポルトガルと同じ組に入った。優勝候補と同居する「死のグループ」とミゲル・ロドリゴ監督も話しているが、稲葉は「厳しいグループですが、こうなった以上はやるしかない。この中でどうやって勝ち上がるか。決勝トーナメントに進出できるように最善を尽くさないといけない」と力を込めた。

同時に楽しみであるという。08年にブラジルで行われた前回のフットサルW杯でも、日本はブラジルと同グループになり、大会の開幕戦で1-12と大敗した。再び初戦で前回王者のブラジルと対戦することになったが、稲葉に悲壮感はない。「前回のW杯ではブラジルに大敗しましたからね。もう一度同じ相手と戦えるという意味では、自分とチームの成長を確認できるから、楽しみな組み合わせになったとワクワクしています」と、4年間の成長を計る場として、前向きに捉えていることを明かした。

 この4年で、日本代表も着実に力を付けた。前回のW杯は、アジア予選を3位で通過して出場したが、今回はアジア王者として世界最高の舞台に挑む。6月に行われたW杯予選を兼ねたAFCフットサル選手権(アジア選手権)で、6年ぶり2度目の優勝を達成したことについても「自信になった」と認める。

「大会を通してチームがまとまっていったと思います。負けていたら『ああだった』『こうだった』と反省がいっぱい出ていたと思いますが、勝って終わることができたので、良い流のまま来ていると思う」

 アジアの頂点に立った日本代表だが、本大会に向けた最初の合宿を前に、一つの転換期に来ている。横浜FCに所属するFW三浦知良が今大会の合宿に招集されたからだ。この日も普段は3、4人程度の記者しかいない横浜FCの練習場に、40人以上の報道陣が集まった。今後はフットサル日本代表の注目度も、飛躍的に上がることが予想される。稲葉も三浦について「憧れていた」と明かすが、同じチームメイトになる以上は、しっかりコミュニケーションを取ることが必要だという。

「プレーや経験など、カズさんの力を借りて戦っていきたい。同時に、自分たちのつくってきた流れもあるので、そのプライドは持ちつつやっていきます。カズさんが入ったということだけで話題になるのではなく、フットサルW杯、その後のFリーグも見てもらえるように、最低でも前回大会以上の結果を残さないといけない。そのためにも、カズさんは憧れだったけど、やるからにはお互いにしっかりコミュニケーションをとって、臆せずにやっていきたい」

 W杯で勝つために、アジア選手権のチームに何が必要か。そう聞くと稲葉は、まずは再確認が必要だと語った。

「1回それぞれの選手がチームに戻っている。もう一回、日本代表として集まる中で、意思統一だったり、戦術の確認をしたい。あとは決定力、チャンスをモノにする力を短期間の中でも付けていきたい。もう一回突き詰めて、W杯に臨みたい」

 24日からの代表合宿で、まずはアジアを制した自分たちの力を再確認し、三浦、森岡という新戦力との融合を図っていく。

(取材・文 河合拓)

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