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[ぎふ清流国体]福岡県は無念の4失点敗戦も県勢過去最高の準優勝:少年男子

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[10.4岐阜国体少年男子決勝 兵庫4-1福岡 飛騨古川WB]

 初優勝こそ逃したものの、福岡県は同県史上初めて決勝進出する快挙で堂々の準優勝だ。決勝では前半22分に先制されたものの、25分、ハーフウェーライン付近でボールを持った左SB岩崎尚将(九州国際大付高、2年)がディフェンスラインの背後へ飛び出したFW中井栞吏(東海大五高、2年)へ完ぺきなスルーパスを通すと、中井は左足ダイレクトで同点ゴールを流し込んだ。

 準決勝の静岡戦で「やれる」手応えを掴んだポゼッションからサイドへ展開。ダイナミックな仕掛けで右サイドに穴を開けようとしていたMF増山朝陽(東福岡高、1年)や高い技術を持つMF瓜生昂勢(筑陽学園高、2年)を起点にゴールを目指した。また4試合連続ゴール中のエースMF中島賢星(東福岡高、1年)は周囲を活かすパスで攻撃を活性化。ただ、チームはクロスからのシュートにまで持ち込んでいたものの、フィニッシャーでもある中島にはいい形でボールは入らず、エースのシュートは前半ロスタイムに放った弾丸ミドルの1本に終わった。

 1-2で迎えた後半はメンバー交代を繰り返し、フレッシュな選手たちの活動量が同点の期待を抱かせた。だが、現時点での個の実力は明らかに兵庫の方が上。リードを3点に広げられた試合最終盤は迫力のある攻撃を見せていたが、1-4で敗れた。東京都や静岡県といったJクラブユース勢中心のメンバー構成だった優勝候補を撃破し、過去最高の成績を残したことについては森重潤也監督(東福岡高)も評価していたが、同時に「ボールを止める、蹴るをもっと上げていかなければいけない」と課題向上への取り組みの必要性も口にしていた。

 東福岡高、東海大五高、筑陽学園高、九州国際大付高、そしてアビスパ福岡U-18という九州トップレベルのチームに所属する選手たちが一丸となって歴史を塗り替えた。この日は兵庫に屈したものの、大会を通して十分に代表レベルの選手であることを実証した中島や、本来のトップ下ではないCBで奮闘した山下敬大(九州国際大付高、2年)らポテンシャルの高さを感じさせる選手は何人もいた。福岡イレブンは全国大会決勝まで勝ち上がった自信とあと一歩で日本一を逃した悔しさを胸に、それぞれのチームでさらなる成長を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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