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ベレーザ意地の勝利!宮間湯郷をくだし優勝へのわずかな望みつなぐ

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[10.21 なでしこリーグ第15節 日テレ3-1岡山湯郷 味スタ西]

 なでしこリーグ第15節が21日に各地で行われ、2位日テレ・ベレーザがホーム・味の素スタジアム西競技場で3位岡山湯郷ベルと対戦した。ベレーザは前半13分にMF伊藤香菜子のゴールで先制すると、後半7分にFW永里亜紗乃が追加点。その後湯郷のFW松岡実希に1点を返されて1-2とされるが、ベレーザは失点直後にこの日リーグ戦200試合出場のMF小林弥生がメモリアル弾。3-1でベレーザが3試合ぶりの勝利を手にし、INAC神戸レオネッサの優勝を阻止した。

 この日、INACが勝利し、ベレーザが引き分け以下に終わると優勝が決まってしまうため、ベレーザにとっては何が何でも勝たなければならない試合。なでしこジャパンのMF阪口夢穂とFW岩渕真奈とをケガで欠くベレーザは、引き分けに終わった前節・新潟L戦(1-1)と同じスタメンで4-2-3-1の布陣で臨んだ。

 アウェーの湯郷は中盤をボックス型にした4-4-2。なでしこジャパンのMF宮間あやはダブルボランチの一角でスタメンに名を連ねた。

 序盤は気負いからかベレーザのミスが目立ち得意のパスサッカーが展開できず、出足の速い湯郷に押し込まれる場面が目立つ。前半6分、PAの少し外、ゴールほぼ正面で湯郷が得たFKでは、宮間が右足で直接ゴールを狙うが、わずかに枠を外れてしまう。

 宮間からなかなかボールを奪えず、リズムに乗れないベレーザだったが、前半13分、右サイドでボールを受けたMF木龍七瀬がワンタッチでDFをかわすとそのままドリブルで切り込み、中央にグラウンダーのボールを送ると、伊藤がトラップから左足シュート。一瞬の隙をついて劣勢だったベレーザが先制をはたす。

 先制したベレーザは、落ち着きを取り戻して主導権を握りはじめるが、湯郷には世界最高峰のFK精度を誇る宮間がいる。流れの中からチャンスをつくれないとあれば、40mはあろうかという位置から直接FKを狙うが、ボールはバーの上を越えてしまった。

 一方のベレーザもボールを支配しながら決定機をつくれなかったが、迎えた前半ロスタイム、PAの外でボールをキープした永里がFW田中美南にスルーパス。フリーで抜け出した田中だったが、湯郷のGK福元美穂に阻まれゴールならず。1-0でベレーザがリードして前半を終えた。

 ベレーザは田中に代えてリーグ200戦目の出場となる小林弥を投入し後半をスタート。ボールキープ力に優れる小林がトップ下に入ったことで、ベレーザはさらにボールを支配率を高める。そして後半7分、ドリブルで30m独走した永里がDFに追いつかれながらも、落ち着いて左足で流し込んで2-0とした。

 2点リードを奪ったベレーザは両サイドを上手く使って湯郷ゴールに迫るが、なでしこジャパンの守護神・福元に阻まれ試合を決めることができない。押し込まれる時間が続いた湯郷だが、得意のセットプレーからチャンスをつかむ。左サイドで得たFKを宮間がゴール前に送ると、最後は松岡が右足で決め湯郷が1点を返す。

 湯郷が勢いに乗ると思われたが、失点から2分後、伊藤の右サイドからのクロスに後方から飛び込んできた小林弥がヘディングを合わせ、ベレーザが3-1と突き放す。小林弥が自らの200試合出場に華を添える貴重な追加点を奪った。

 反撃を試みる湯郷だったが、得点を奪えず試合終了。ベレーザが3-1で3試合ぶりの勝利をおさめた。この結果、INACの優勝は次節以降に持ち越された。

(取材・文 奥山典幸)

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