beacon

[Jユースカップ]延長5発!札幌U-18が高円宮杯王者広島ユース破り、決勝進出!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.22 Jユースカップ準決勝 広島ユース1-5札幌U-18 万博]

 広島劇場ならぬ、札幌劇場の上映だった。2012年Jユースカップ第20回Jリーグユース選手権大会は22日に万博記念競技場で準決勝を行い、第2試合はコンサドーレ札幌U-18が延長戦の末、5-1でサンフレッチェ広島ユースを下した。昨季の高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップと同じ組み合わせで、札幌がチャンピオンシップ2連覇を果たした広島への雪辱を果たした。

 試合は、序盤から札幌が優位に立った。豊富な運動量でセカンドボールを次々に拾って波状攻撃。サイドハーフの神田夢実中原彰吾が常にドリブル突破を仕掛けながらスルーパスやワンツーを狙って相手に的を絞らせず、ぐいぐいと敵陣に押し込んだ。神田は「ゴール前で少し崩しきれなかったけど、続けていけば点は入ると思った」と手ごたえを語った。それでも札幌のシュートミスと広島の守備の粘りにより、拮抗した展開で得点は生まれず、後半に突入した。札幌は18分に大型ストライカーの下田康太を投入。広島は36分の選手交代で1トップの大谷真史をベンチに下げてスピードのある越智大和を左ウイングから最前線に移し、互いに勝負をかけた。後半終了間際、連続してシュートチャンスを得たのは札幌だったが、シュートはことごとくゴールの枠を外れた。

 スコアが激しく動いたのは、延長戦に入ってからだった。延長前半5分、札幌は左DF近藤諒大からパスを受けた途中出場のMF藤井慎之輔がドリブルで切り込み、最後は下田が体勢を崩しながらも左足の豪快なシュートを決めて先制。ところが「逆転の広島」の異名を持つ広島ユースは直後の6分、左からのクロスをMF川辺駿がヘディングで合わせて同点。札幌の四方田修平監督が「1-0で終わる相手じゃない。それにしても、さすがだなと笑ってしまった」という紫熊の根性はさすがだったが、広島はMF野津田岳人が「相手はキープ力があって、なかなかボールを取り切れなかった。それに取ったボールを簡単に取られる場面が多く、体力的に苦しくなっていった」と話したように、その後もリズムを取り戻すことができなかった。

 同点となってからも札幌は攻撃の手を休めず、10分に右からの低いクロスに藤井が飛び出して右足シュートをたたき込んだ。さらに延長後半3分、左サイドから神田がドリブルシュートで相手GKの手を弾き飛ばして3点目をマーク。もはや勢いは止まらず、7分、中原が高い位置でボールを奪ったところから始まったショートカウンターで下田が4点目、9分にスローインを受けた堀米悠斗がドリブルで相手をかわしてシュートを決めて5点目と一気にリードを広げた。

 プレミアリーグチャンピオンシップとの2冠を目指した広島ユースの森山佳郎監督は「相手が強く、最後は力尽きた。散るときは華々しく。悔いはない。昨年はチャンピオンシップの後、そこからJユースカップまで気持ちを持ってくることができなかった。今回は結果は出なかったけど、気持ちは持ってこられたので半歩前進。最後まで走った選手を誇りに思う」と涙にくれた選手たちを労った。一方、四方田監督が「いつも以上に気持ちが入っていて、たくましかった」と選手を称えた札幌は、悲願達成に大きく前進。神田は「北海道のチームは、ユース年代の全国優勝を果たしたことがない。歴史を変えるためにも決勝戦ではガンバ大阪ユースを圧倒して、有終の美を飾りたい。僕たちならできると思う」と歴史的初タイトルに自信を見せた。日本一のチームを破ったのは、頂上に立つため。もう一歩を力強く踏みしめ、北の大地に栄冠を持ち帰る。

[写真]札幌U-18は下田(右)の2発などで広島ユースに雪辱勝利

(取材・文 平野貴也)
▼関連リンク
2012Jユースカップ特集ページ

TOP