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なでしこFW大野忍が強豪リヨンへ移籍!「世界一のチームでやれる自信はある」

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 フランス1部・リヨンへ完全移籍することが決まったINAC神戸レオネッサのなでしこジャパンFW大野忍が28日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザで移籍記者会見を行なった。大野は来月9日に渡仏し、正式にサインする。

 なでしこリーグで、MVP3回、得点王4回を獲得し、リーグ通算得点記録で1位の163得点。名実ともに“なでしこ最高のストライカー”が、ついに初の海外移籍をはたす。「いろいろな方に相談をして、ギリギリまで考えました。日本では“絶対にマークしておかないとダメ”と(相手から)思われるよう意識してプレーしていましたし、(プレッシャーを)交わすのは(自分の)売りなんですけど、もう少しプレッシャーを受けてみたいなと(笑)。そこスライディングくるか! とか経験してみたい」。さらに高いレベルでのプレーを求め、海外への移籍を決意したという。

 会見に同席したINACの文弘宣会長も断腸の思いで、大野の移籍を後押ししたという。「2年前、INACに入団する際に、ロンドン五輪終了後に海外でプレーしたいという話は聞いていました。世界でも最強に入るチームですし、忍選手が移籍するならそういうチーム。(大野)本人にとっても、INACにとっても最良だと判断し、涙ながらに送り出します」。また、「神戸から世界へ」を掲げるINACとしては、「今後も世界に羽ばたく選手を育てたい」とも語った。

 リヨンは現在、UEFA女子チャンピオンズリーグを2連覇中の強豪で、日本人のFW大滝麻未も所属している。11月22~25日に日本で開催された女子クラブW杯ともいえる国際女子サッカークラブ選手権では、決勝でINACを下して初代王者に輝いた、現在世界一のチームだ。フランス女子代表のエースMFルイサ・ネシブをはじめ、各国代表選手ばかりが在籍しており、INAC以上に激しいポジション争いが待っている。

「対戦してときにすばらしい選手が多くて、自分が入ったらどう活かして、どう活かされるのか、やってみたいと思った。リヨンのダイナミックなプレーの中で、アクセントを加えたいですね。海外の選手は細かいプレーをしないイメージなので、“そのプレー何?”っていうプレーをやっていきたい」

「(知っているフランス語は?)“ボンジュール”(笑)。とりあえず、フランパン齧っておけばなんとかなるでしょ。フランスパンって売ってますよね?」。初めての海外生活を前にしても、ポジティブな大野らしく楽しみにしている様子がうかがえた。

 海外でプレーした経験を持つ先輩のMF澤穂希からは、「“シノらしくやってきて”と言われました。それが一番の勇気です」と声をかけられたという大野。「世界で一番強いチームで自分がどれだけできるか。自信はある。欧州女子チャンピオンズリーグ3連覇に貢献したい」。11年女子W杯で日本を世界一に導いたストライカーが、次はクラブで世界一を目指す。

(取材・文 奥山典幸)

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