beacon

2戦連続決勝点も決勝出場停止に…涙の柏FW工藤「悲劇のヒーロー」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM0-1柏 国立]

 目に涙を浮かべ、チームメイトに託した。準々決勝・大宮戦(4-3)に続く2試合連続の決勝点で柏レイソルを決勝に導いたFW工藤壮人が累積警告により、元日の決勝は出場停止となった。

 勝利目前の後半ロスタイム、遅延行為で受けたイエローカードが累積2枚目。「終わった瞬間は気持ちの整理がなかなか付かなかった」と、決勝に出場できない悔しさがこみ上げ、涙があふれた。試合後はチームメイト一人ひとりと握手。「頼むぞ」と声をかけて回った。

 そんな工藤に対し、FW田中順也は「涙目になっていたし、決勝に出られないのはチームとしても残念。だからこそ優勝しないといけない」と力を込め、DF渡部博文も「下を向いて泣きながら『次、がんばってくれ』と言われた。それがまたチームの力になる」と強調。工藤のためにも絶対に優勝する。そんな思いでチームは一丸となっている。

「悲劇のヒーローですね」。ミックスゾーンに現れた工藤は第一声で言った。試合直後の感情は落ち着き、気持ちを切り替えていた。「みんな『俺が決めるよ』と言ってくれたし、僕自身、そういうチームメイトに救われた」。そう感謝すると、「ここまで来たら優勝しかない。優勝と準優勝では天と地の差以上に違う。記憶にも記録にも残らない。精一杯サポートしたいし、試合が終わってみんなで喜びたい」と、願いを込めて仲間に託した。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
第92回天皇杯特設ページ

TOP