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[選手権]持ち味発揮できなかった滝川二、PK戦で辛くも3回戦進出

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[1.2 全国高校選手権2回戦 聖光 1-1(PK6-7)滝川二 江戸川陸]

 第91回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に行われ、東京・江戸川陸上競技場の第2試合、聖光(山口)と滝川二(兵庫)の一戦は開始直後に試合が動く。立ち上がりから小気味良いパスワークで滝川二が試合を支配。前半3分にDF山本和也(3年)とMF高畑智也(3年)が左サイドを連係で崩し、中へと入れたクロスをFW寺田凌(3年)が頭で叩き込んで滝川二が幸先良く先制する。

 しかし、「早く点を獲りすぎて浮き足だってしまった。下(ピッチ)が緩かったのもあって、足にボールがつかなかった。その悪い流れがずっと続いて、サッカーにならなかった」と栫裕保監督が振り返ったように、以降は滝川二らしいパスサッカーを見せることが出来ない。21分にはDFラインでのパスミスを聖光FW福永浩士(3年)に奪われ、失点を許してしまう。

「ミスからの失点にガクっときた」(栫監督)と、いう滝川二は前半37分にも自陣でボールを奪われた所から前線のFW清木善憲(3年)にシュートを打たれるなどピンチを招き続けたが、クロスバーに救われるなど何とか凌いで前半を終了する。

「リズムが悪かったら、ポジションを変えてみよう」(栫監督)という狙いを持って挑んだ後半も流れを変えることが出来なかったが、後半15分にFW馬場航(3年)を投入。これを機に高畑を左サイドから中央へと移したことで少しずつ中盤での落ち着きが戻ってくる。後半27分には中盤でMF太田皐介(3年)が身体を張って相手の攻撃をブロックし、傍のMF木下稜介(3年)へとパス。素早く前を向いた木下が前線の寺田とのワンツーでPA右へと抜け出し、フリーでシュートを狙った。ただし、これは枠を捉えることができず、その後も何度か前線まで持ち込んだものの、集中力を切らさずに前線からしっかりとチェックをかけて、数的優位でボールを奪いに出る聖光の守備陣を崩すことが出来ず、PK戦へと突入した。

「絶対に勝つからと伝えた。PKこそ自信を持って蹴らないと入るものも入らない」と指揮官に押し出されたPK戦で滝川二は、聖光3人目のキックを守護神・中村正識(3年)が足でストップ。4人目のキッカーまで全員が成功し、勝利目前まで迫ったものの、5番手・寺田のキックは左ポストを叩いてしまう。それでも、その後もしっかりと集中力を切らさずネットを揺らし続けた滝川二が7-6で競り勝った。PK戦の途中から試合を直視できなかったという栫監督は「寿命が縮まりました」と苦笑い。「決定的なチャンスを決めきれていないのは、今後はしんどい」と1回戦に続き、決定力に課題を残した攻撃陣の発奮に期待していた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 森田将義)

【特設】高校選手権2012

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