beacon

連続得点王誓う小屋松「自分の代でもう1回取らないと、一発屋で終わってしまう」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.10 練習試合 日本高校選抜候補4-3専修大]

 “古都のスピードスター”は今年、結果にこだわる。京都橘高(京都)FW小屋松知哉(2年)は全国高校選手権で5得点を挙げてチームメートのFW仙頭啓矢(3年)とともに大会得点王に輝いた。最大の武器である50m走5秒台の快足をこの日も披露。2本目に出場すると、大学生DFと競りながらも強引に前に出て左足シュートを放ち、3-3の5本目には左オープンスペースからスピードに乗ったドリブルで一気にPAへ侵入し、角度のほとんどない位置から左足を振りぬいた。これは大きな衝撃音とともにポストを叩いたが、跳ね返りをMF安井修平(東海大仰星高2年)が押し込んで決勝ゴールとなった。

 決勝点として周囲に讃えられた安井が「ゴールラインを越えていたと思う。(小屋松の)知哉のゴールですよ」と話した試合を決める一撃。ただ、本人は「あれは打った後、(DFに)当たられてコケて見えてなかったんですけど、とりあえず点入って良かった。誰が点取っても点が入って、チームが勝てたらいいと思っている」とヒーローになることよりも勝ったことを喜んでいた。

 自身初挑戦だった選手権では鮮烈な活躍を見せたが、レベルの高い高校選抜候補合宿に参加したことで自分に足りない部分が見えてきている。「ホンマに四中工の2人も上手いですし、FWはレベル高い選手ばかり。個人的に選考会というはあまり得意ではないです。(持ち味も)何回かは出せたんですけど、ゲーム全体を通して消える時間も多かったですし、短い時間での味方との連係とかもイマイチかなという感じがしている。でも、その中でもやっていかないと選ばれない。それが選考会ですし、上へ行くために必要な力なのかなと思いました」と語った。

 今年は自身にとって真価を問われる一年だ。「選手権終わって準優勝だったんですけど、優勝はできていません。得点王は3年生のおかげで取れただけ。自分の代でもう1回取らないと一発屋で終わってしまう。レベルアップしていかなければいけない」と意気込む。まだ新チームでの公式戦には出場していないが、新チームでは主将に任命された。「キャプテンというキャラではない。不安はありますけれど、そこはしっかり。ガツガツ言うタイプではないのでプレーで魅せられたら、プレーで引っ張っていけたらいい。今回準優勝という結構デカイ結果がある。周りのプレッシャーはあるし、結構キツイかなと思いますけど、その中で結果を出したら自分も大きくなれる。しっかりと自分のプレーを出して行きたい」。2年連続選手権得点王、そしてPK戦の末に逃した日本一へ。快足FWはすでに走り出している。

(取材・文 吉田太郎)

TOP