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[総体]山村国際に逆転許すも再逆転!昨年全国準Vの武南が初戦突破:埼玉

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[6.15 全国高校総体埼玉県予選3回戦 武南3-2山村国際 埼工大G]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技埼玉県予選は15日、3回戦を行い、昨年度全国大会準優勝の武南は山村国際に3-2で逆転勝ちした。武南は16日の準々決勝で埼玉栄と対戦する。

 武南の名将・大山照人監督は苦しみながら勝利した今大会初戦の試合後、「ゲーム全体のプランが甘い。あと集中して100パーセントでできていないですね。ポイント、ポイントで自分の100パーセントでできていない」と指摘した。この日は圧倒的に攻めながらも追加点を奪えず。MF室崎雄斗やFW中川風希(ともに3年)らが個や連係で再三ビッグチャンスをつくりながらも、焦りからかゴール前での精度を欠いた。また山村国際の縦の速さは警戒していたが、守備陣はわずかな綻びを突かれると、ミスも重なり2失点。MF鈴木裕也主将(3年)は「(決勝T初戦敗退した)選手権のように焦ってしまった。ダメなところばかり出てしまった」と首を振っていた。

 武南は前半11分、左中間から中央へ切れ込んだ中川が右足シュートをゴール左隅へ沈めて先制。その後も13分にMF奥村宣彦(3年)の折り返しを室崎が右足ダイレクトで合わせ、23分にはPAでDFのマークを外した中川がGKとの1対1から左足を振りぬく。さらに24分には右サイドのスペースをついた鈴木のラストパスを中央でフリーで奥村が右足で叩く。このあとも次々と山村国際ゴールヘ向けてシュートを打ち込んでいた。

 だがPA付近での受け手のポジショニングの悪さが目立ち、ミスやPAで強引に仕掛けてDFにボールを奪われたりする場面の連続。猛攻を相手に凌がれると、1-0で迎えた後半立ち上がりに連続失点で逆転を許してしまった。3分、山村国際は左サイド後方からのクロスボールをファーサイドで折り返すと、DFを振りきって中央へ飛び込んだFW志村瞭(3年)が右足で同点ゴール。さらに前線で存在感を示していたMF津島尚真が存在感を放つ山村国際は10分、セットプレーからニアサイドのFW小川拓海(3年)が頭で後方へ流すと、武南DFに当たったボールがそのままゴールヘ吸い込まれて逆転に成功する。

 勢いの止まらない山村国際は14分にも右サイドのMF北村太一(3年)からのクロスに反応した小川のヘディングシュートが左ポストをヒット。完全に流れを引き寄せていた。それでも武南は15分、右CKのこぼれ球をMF小宮孝介(3年)がゴールヘ叩きこんで同点に追いつく。左SB勝山雄月(3年)の右足シュートがポストを叩く不運もあったが33分、勝山の左スローインをFW田中兄也(3年)が後方へ頭で流すと、中央の奥村が左足ダイレクトでゴールヘ突き刺して決勝点を奪った。「練習通り。いい落としをしてくれた。自分は当てるだけだった。逆転されても落ち着いてやれば、取れると思っていた」と奥村。V候補は苦しみながらも初戦を突破した。

 鈴木、室崎、奥村、勝山、GK荒井文弥(2年)と全国準V時のレギュラー半数を残す今年は技術の高い選手が揃い、実力は全国トップラスにある。ただ鈴木は「心の、メンタルのところが強くなれていない」と指摘し、奥村も「昨年みたいな粘りを真似しないと、昨年は越えられない」と口にする。主将の鈴木中心に自分たちからミーティングするなど、変えようとしている姿勢を試合へつなげられるか。この日の苦戦を糧にV候補はより、一つひとつのプレーに全力をつぎ込み、全員で勝利を掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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