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大宮が逆転勝利で首位キープも…同点弾のエースが負傷交代

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[7.10 J1第15節 大宮2-1名古屋 NACK]

 J1第15節は10日、各地で9試合を行い、首位大宮アルディージャはNACK5スタジアム大宮で名古屋グランパスと対戦し、2-1の逆転勝利を飾った。前半7分にMF中村直志の今季初ゴールで名古屋が先制したが、大宮は後半17分にFWノヴァコヴィッチが同点弾。同20分にはFW長谷川悠の今季初ゴールで逆転した。負ければ首位陥落の可能性もあった一戦で2試合ぶりの勝利を挙げ、首位を守った。

 大宮は前節・鳥栖戦(1-1)から先発一人を変更。DF下平匠が負傷欠場し、DF村上和弘が左SBで今季初先発となった。FWズラタンは鳥栖戦に続いて欠場。この日もノヴァコヴィッチと長谷川が2トップを組んだ。
 前節の清水戦(2-1)で連敗を5で止め、8試合ぶりの勝利を挙げた名古屋はDF増川隆洋が出場停止。代わってDFダニエルが2試合ぶりに先発した。
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 試合は思わぬ形で幕を開けた。前半7分、大宮が最終ラインでボールを回しているところに名古屋が高い位置からプレッシャーをかけ、DF高橋祥平のコントロールミスを誘う。中村がボールをカットし、GKが前にポジションを取っているのを確認すると、PA手前から左足でループシュートを狙い、鮮やかにゴールネットを揺らした。

 ミスから先制を許した大宮は反撃に出るが、名古屋はチーム全体が連動しながら球際の激しさ、豊富な運動量で対抗。押し込まれながらも最後のところで体を張って跳ね返した。大宮は前半27分、MF渡邉大剛が右CKからマイナスにクロスを上げ、PA手前のノヴァコヴィッチが右足ボレーで合わせたが、ゴール上へ。その後もセットプレーから同点ゴールを狙うが、同39分、左CKのセカンドボールを拾ったMF青木拓矢のシュートはゴール前のDF阿部翔平が身を挺してブロックした。

 前半ロスタイムには大宮に決定機が訪れた。セカンドボールを拾って押し込むと、中央で長谷川、青木と細かくつなぎ、ボールがゴール前のノヴァコヴィッチの足元にこぼれる。しかし、シュートは至近距離でGK楢崎正剛がビッグセーブ。名古屋の守護神が同点ゴールを許さず、前半は名古屋の1点リードで折り返した。

 攻撃の圧力を強めていく大宮に対し、名古屋の守備陣も集中力を保って耐え続けた。後半8分には高橋の縦パスから長谷川を経由してPA内のノヴァコヴィッチにボールが渡るが、DF田中マルクス闘莉王がスライディングタックルでカット。対する名古屋も同12分、DF田中隼磨の右クロスにMF小川佳純が頭で合わせる決定機をつくったが、下に叩き付けたボールは大きくバウンドし、クロスバーの上を越えた。

 紙一重のところでしのいでいた名古屋だったが、大宮のエースがついにこじ開けた。後半17分、自陣でのパスカットから青木が長い距離のスルーパス。ボールを受けたノヴァコヴィッチは長いストライドのドリブルでダニエルを振り切り、PA内に切れ込むと、左足でニアサイドを破った。

 ノヴァコヴィッチの2試合ぶり今季8得点目で1-1の同点。勢い付く大宮は直後の後半20分、再び青木から絶妙な縦パスが長谷川に通り、振り向きざまに左足を振り抜いた。長谷川の今季初ゴールとなる豪快な一撃が勝ち越し弾。連続ゴールで2-1と試合をひっくり返した。

 一転、追う立場となった名古屋は後半21分、MF田口泰士に代えてFW矢野貴章を投入。直後の23分にはPA内で矢野が村上と交錯して転倒したが、PKの笛はなし。同26分、FWケネディがPA内で粘って最後は小川が左足でシュートを打ったが、枠を捉えることができなかった。

 すると後半28分、両チームにアクシデントが襲う。大宮のノヴァコヴィッチに対し、後方から中村が足を引っかける形で2人がもつれ合いながら転倒。中村は足を引きずりながらピッチ外に出たが、ノヴァコヴィッチは右足首を抑えたまま起き上がれず、そのまま担架で運び出された。中村はFW田中輝輝、ノヴァコヴィッチはDF片岡洋介と交代。ズラタンを故障で欠く中、ノヴァコヴィッチも離脱となれば、大宮にとっては大きな痛手だ。

 片岡の入った大宮はCBを中央に3枚並べ、5バック気味のシステムで逃げ切り体勢に入った。後半36分には村上に代えてDF渡部大輔を投入。最終ラインにフレッシュな選手を入れ、名古屋の反撃を跳ね返した。後半ロスタイムにはパワープレーで前線に上がっていた闘莉王からゴール前でフリーの田中輝にボールが渡ったが、シュートはGK北野貴之の正面を突く。終盤は名古屋が押し込む時間が続いたが、大宮が2-1のまま逃げ切り、勝ち点3をもぎ取った。

(取材・文 西山紘平)

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