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[選手権]九州勢対決を制した東福岡、2戦9発の圧倒的な破壊力

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[1.2 全国高校選手権2回戦 佐賀東0-3東福岡 駒場]

 九州勢対決を制したのは東福岡(福岡)だった。佐賀東(佐賀)の厳しいプレッシャーに苦しんだ赤色のユニフォームを身にまとった選手たちだが、終わってみればシュート数は佐賀東の3本に対して、7倍以上となる22本。2試合で9得点を奪う圧倒的な攻撃力を見せ付けた。3日の3回戦では2試合連続の九州勢対決となる日章学園(宮崎)と対戦する。

 序盤から試合の主導権を握った。MF阿部敬太(3年)、MF松田天馬(3年)、MF草野昂希(3年)を中心にボールを回して攻撃を組み立て、初戦の米沢中央(山形)戦で2点を奪ったFW木戸晧貴(3年)へとボールを送り、決定機を生み出す。すると前半13分に早々と先制点。ゴール前でボールを受けた木戸が相手DFを2人かわして放ったシュートはGK眞子雄司(3年)に弾かれるも、こぼれ球を草野が押し込んだ。

 初戦で6ゴールを奪っている強力な攻撃陣が追加点を奪うのも時間の問題かと思われたが、ここで佐賀東が粘り強い守備を見せる。決してDFラインを下げてゴール前を固めるわけではない。あくまでライン設定は高めに、FWとMFは東福岡のボールホルダーに必ずプレッシャーをかけ、相手から自由を奪う。スペースが生まれたDFラインの裏にボールを送られても、CBのDF篠原佑太朗(3年)とDF西原悠晟(1年)がしっかりとカバーに入り、簡単には決定機をつくらせなかった。

「もう少しボールをつなげられると感じていたけど、相手の厳しいプレッシャーに苦しんで、ボールをつなげなかった」と東福岡の森重潤也監督が振り返ったように、先制点こそ許したが、佐賀東の守備は機能していた。しかし、攻撃に移っても人数をなかなか割けず、カウンターから好機を生み出そうとしたものの、PA内への進入回数は限られていた。

 後半に入ると、東福岡が再びゴールを脅かし始める。後半13分には中盤でボールを奪った木戸が独走。相手を引き付け、逆サイドでフリーになっていた松田にパスを送ったも、松田のシュートは眞子に防がれてしまう。後半20分にもMF池辺龍次朗(3年)のパスに抜け出した草野が狙ったが、シュートはクロスバーを直撃。さらに1分後にはCKからDF中島圭大(3年)が完璧なタイミングでヘディングシュートを放つも、再び眞子が立ちはだかり、なかなか追加点を奪えなかった。

 焦れるような展開となったが、絶対エースの木戸がスコアを動かした。後半25分、草野が左サイドに展開したボールから敵陣深くへ進入すると、PA付近でボールを受けた木戸がMF赤木翼(2年)とのパス交換から右足を振り抜いてネットを揺らす。大会通算3得点目となるゴールは、佐賀東の守備に苦しんでいたチームに勢いをもたらす貴重な追加点となった。

 ここまで懸命に2失点目を防いでいた佐賀東だが、終盤に入ると、目に見えて運動量が落ちてしまう。すると、東福岡はダメ押し点を奪おうと猛攻を仕掛けた。後半28分には左サイドの池辺、松田とつなげたボールを最後は赤木が狙うも、ポストに弾かれたが、後半39分に阿部がCKを直接ねじ込んで勝負あり。「連戦だったので疲れがあったかもしれない。相手の守備に苦しみ、ロングボールが多くなったし、80分間をどう戦うかという課題も残った」と森重監督は振り返ったが、九州のライバルを圧倒しての勝利だった。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)


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