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Jリーグ新チェアマンに村井氏が内定、熱烈な浦和ファンは「今日で終わり」

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 Jリーグは17日、大東和美チェアマン(65)が1月31日付で退任し、後任として現理事で元リクルート執行役員の村井満氏(54)が就任することを発表した。5代目のJリーグチェアマンとなる村井氏だが、過去にJクラブ社長経験などがない外部からの就任は初めてとなった。

「今の正直な気持ちとしては、元Jリーガーでもなく、クラブ社長の経験もない人間を受け入れていただけるJリーグのオープンさ、懐の深さにただただ驚いている」。記者会見した村井氏は率直な思いを語り、「最初に大東チェアマンから打診を受けたときは『これは大変だ』というのが正直な気持ちだった」と明かした。

 埼玉県川越市出身の村井氏は浦和高時代にサッカー部に所属し、GKとしてプレー。最高成績は県ベスト4で、全国大会出場の夢は果たせなかった。早稲田大卒業後、83年に日本リクルートセンター(現・リクルートホールディングス)に入社。00年から同社人事担当執行役員を務め、04年にリクルートエイブリック(現・リクルートキャリア)代表取締役社長に就任した。同社がJリーグのセカンドキャリアをサポートする事業を請け負っていたこともあり、08年7月よりJリーグ理事を3期務めてきた。

 リクルート時代には、入社間もなく起きたリクルート事件やバブル崩壊など、さまざまな“荒波”を乗り越えてきたという村井氏。「30年間、人材育成に取り組んできた中で思ったのは『逃げちゃダメだ』ということ。それを振り返ったとき、この話から逃げちゃダメだと思った」と語り、「命を賭してでもお受けしようと思った」と、新チェアマンとしての決意を述べた。

 大東チェアマンは村井氏について「クラブ経営やプロ選手としての経験はないが、Jリーグの理事を3期務め、熱烈なサッカーファンでもある。若くてバイタリティーがあり、人格も中立公正。Jリーグのリーダーにふさわしい人間であり、人材育成やアジア戦略というJリーグの課題を考えたとき、これ以上の適任者はいない」と、大きな期待を寄せた。

 Jリーグは今季からJ3がスタートし、来季は2ステージ+ポストシーズン制を導入する。現在のJリーグの課題について聞かれた村井氏は「観客が徐々に減少傾向にあり、サポーターの高齢化という問題があると認識している」と指摘。「Jリーグに若い人、初めて見る人、家族連れの人をどれだけ呼んでこれるか。立派なスタジアムやビッグネームを呼ぶというのは簡単にはできない。今できるのは、先日の高校選手権決勝のように最後の最後まで全力で戦い、日本らしいフェアな戦いを見せること。日本のサッカーはこうなんだというのを見せていくことだと思う」と熱く語った。

 今月13日に行われた全国高校サッカー選手権決勝は、後半42分まで2点ビハインドだった富山一(富山)が土壇場で追いつき、延長戦の末、星稜(石川)を下し、劇的な初優勝を飾った。観る者の心を揺さぶるような熱いゲームを毎試合見せること。「フッと来たお客さんをそこでつかまないといけない。選手にとっては1年間に34試合あるかもしれないが、リピーターをつくり、裾野を広げていくには、すべての試合において全力を尽くさないといけない。僕らは、今日そこにいるお客さんをつかまないといけない」と、選手がすべての試合で全力を出し切ってプレーすることに期待していた。

 もともと熱烈な浦和サポーターで、駒場スタジアムにもよく足を運んでいたという村井氏。「Jリーグのチェアマンになったら51クラブのサポーターになる。浦和レッズは入場者数でも一番で、Jリーグを引っ張る責任があるクラブの一つだと思っているので、厳しく期待したい」と語ると、「『熱烈』(なファン)は今日で終わろうと思っています」と笑顔で話していた。

(取材・文 西山紘平)

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