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U-18代表候補や全国8強選手ら実力派参加の「NIKE CHANCE」関東ラウンド、無名の大成高CB楠本が“日本代表”として世界へ!!

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 全国的に無名の大成高(東京)DF楠本卓海(3年)が世界への「CHANCE」を掴んだ。世界的スポーツブランド、NIKEが開催する「世界で戦える」若き才能を探す世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」は1日、横浜みなとみらいスポーツパークでジャパンセレクション関東ラウンドを行い、楠本が勝者として選出された。楠本は関西ラウンド勝者の履正社高(大阪)FW瀧本高志(2年)とともに、3月8日から10日までイングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークで開催される「NIKE CHANCE グローバルセレクション」へ出場。世界50か国から集まる若き才能たちと、マンチェスター・ユナイテッドやユベントスなどのビッグクラブへの「スカウティングツアー」参加(16名)や、ナイキアカデミー(イングランド)入りを懸けて実力を競い合う。

 現在プロ契約をしていない若き男性フットボールプレーヤー全てを対象とした「NIKE CHANCE」。関東ラウンドのセレクションには昨年のプリンスリーグ関東1部で12ゴールを挙げて得点ランキング2位タイに食い込んでいる八千代高(千葉)FW浅川隼人やU-18日本代表候補歴を持つ湘南工科大附高(神奈川)GK福井光輝、夏の全国大会で8強入りした滝川二高(兵庫)GK杉本守とDF高橋一樹、ジェフユナイテッド千葉U-18(千葉)FWバリガ外山ジロら実力者たちが参加した。ほかにも静岡学園高(静岡)や武南高(埼玉)、清水桜が丘高(静岡)、韮崎高(山梨)、矢板中央高(栃木)、久御山高(京都)、三浦学苑高(神奈川)など全国区の強豪校の選手たちが3次審査まで勝ち上がったが、最終的に「NIKE CHANCE ジャパンヘッドスカウト」の元日本代表DF名良橋晃氏から勝者として名を呼ばれたのは、夏の全国大会東京都予選が決勝トーナメント1回戦(ベスト12)、冬の全国大会予選でも決勝トーナメント2回戦(ベスト16)で敗れている無名の大成高DF楠本だった。発表直後には驚きの表情を見せていた楠本だが、「こういう機会をつくってくれたのは高校の先生方。本当は全国へ出て、高校名を広げたかったんですけど、できなかった。それでも、こういうところで広められることができて良かったです」と素直に喜んでいた。

 今回の関東ラウンドは1次ラウンドにプロを目指す選手ら59名が参加。その1次ラウンドを突破した29名に、事前セレクションや推薦を受けて2次ラウンドから参加した15名を加えた44名によって2次ラウンドが実施された。ジャッジを担当する名良橋ヘッドスカウトと元日本代表DF中西永輔氏、鹿島アントラーズ強化部の長谷川祥之氏、浦和レッズ強化部の田村圭氏、NIKE FCコーチの櫛山匠氏が鋭く目を光らせる中、選手たちは1次ラウンドで1対1や2対2、4対4、2次ラウンドでは3対2のオフェンスディフェンス、8対8などで実力を示していく。

 1次ラウンドの4対4ではバリガがDFを弾き飛ばすかのような中央突破からゴールを破れば、DF北村大輔(藤沢西高)がインターセプトから技ありのロングシュートを決める。また浮き球をヒールキックでラストパスに変えたMF秋山信(清水桜が丘高)のアイディアや球際で強さを発揮したMF田村大介(横浜市立東高)、その声でスカウト陣の心を掴んだMF森岡仲達(栄東高)らそれぞれが生き残りを目指していく。特にGKは1次ラウンドに8人が参加したが、ボールにアタックするスピードの速さなどから2人に絞られる狭き門となった。

 そして2次ラウンドの8対8では浅川がMF田夛英照(久御山高)との2度ワンツーからゴールを陥れ、FW西尾龍也(大成高)がCKに体ごと飛び込んでゴールを破る。またゴール前で存在感放つ福井が左足のフィードと声でアピールすれば、MF高原正旭(静岡学園高)が果敢なチェイシングでのインターセプトから右足でゴールを決め、MF増田敬介(八千代松陰高)が中盤中央からドリブルでチャレンジを繰り返す。2次ラウンドで早くも足を攣らせる選手もいたほど激しい戦い。ただ名良橋ヘッドスカウトが「凄くみんな積極的にやってくれたのがあったんですけど、しいて言えば少しミスを怖れてしまっていた部分があって、消極的なところも若干あったかなと思います。最初はボールを持ったら自分で全部勝負するくらいの気持ちで行ってほしい。自分の個性をもっともっと出してくれればいい」と残念がったように、ピッチ上で自分の武器が何かを表現できないまま敗退した選手もいた。その中で少しでも多く可能性を示していた選手、上手くなくてもがむしゃらだった選手など28名が最終選考となる3次審査へ進出。25分ハーフの選考試合で世界への1枠を争った。

 黄色と青色のビブスのチームにそれぞれ分かれて行われた選考試合は、両チームともに中盤がダイヤモンド型の4-4-2システムで、黄色の先発はGKが佐藤建太(柏日体高)で4バックは右から椎野大空(湘南工科大附高)、高橋、川島岳(三浦学苑高)、金子理史(八千代高)。中盤は1ボランチに増田が入り、右MFを高原、左MFをバリガ、トップ下を染谷由来(大森FC)がそれぞれ務めた。2トップは西尾と新井涼平(湘南工科大附高)のコンビ。後半からGKに杉本、中盤の底の位置に上松幹(久御山高)、2トップの一角に木村和真(韮崎高)が入った。

 一方の青色の先発はGKが福井で4バックは右から渡邉晶基(富士見高)、山本隆太郎(三浦学苑高)、楠本、熊谷崇大(三浦学苑高)。1ボランチに三村翼(清水桜が丘高)、右MF渡邊夢大(東海大高輪台高)、左MF藤田大輝(矢板中央高)、トップ下が田夛、そして2トップは浅川と犬飼元氣(浦安SC)が配置された。後半からGKに岡本享也(川崎北高)、中盤の右サイドに伊藤暖希(湘南工科大附高)、そしてFWとして大久保寿希也(武南高)が投入された。

 1月25日に行われた関西ラウンドに比べて個々に大きな差が見られなかった50分間。アタッカーが1対1で何度もDFを切り裂くようなシーンはなかった。それでも目の付近を負傷した影響によって2次ラウンドでほとんどプレーできなかった金子や、2年生の強気なドリブラー、渡邊の鋭い突破がゴールの予感を高めていく。ファーストゴールは9分。渡邊が左サイドから出したラストパスのこぼれ球を浅川が右足でゴールヘ叩きこんで青色が先制する。

 ただ黄色は10分、高原が強引にPAへ切れ込んでシュート。ゴールライン手前でDFがクリアしたものの、右サイドから西尾がシュートをねじ込んで同点に追いついた。ただ、青色は直後の13分、右サイドでのインターセプトから一気にスピードアップした三村が前線の浅川へパス。ターンした浅川はDFのプレスを跳ね除けるように突進すると、そのまま右足シュートをゴールヘ叩き込んだ。

 青色はその後も田夛の左足シュートがクロスバーを叩き、渡邊の右足シュートがゴールを襲う。一方の黄色も熊谷が質の高いクロスボールを連発。そして上松や西尾がシュートシーンをつくり出す。ただ、青色は交代出場の伊藤が懐の深いドリブルと一瞬のキレで存在感を放つなど主導権を握る。そして15分、伊藤の放った右足コントロールショットはクロスバーを叩いたものの、こぼれ球を浅川が頭でゴールヘ押し込んで3-1とする。浅川や伊藤はさらに加点するチャンスを活かすことができなかったものの、青色は後半の半ば以降、楠本や山本が相手の前線へのボールをことごとく跳ね返して追撃させなかった。

 この結果を受けて始まったスカウト陣の最終審査。結果を残したFW陣、また計8人の名が挙がったGK、DF、MFから最終的に選ばれたのは名良橋ヘッドスカウトに「相手にしてみても凄く怖いCB。FWにとっても怖いタイプだと思う」と言わしめた楠本だった。関西ラウンドで抜群の突破力とスピードを見せた大型アタッカー、瀧本と全国的に無名ながらも「ヘディングや対人ではあんまり負ける気がしないです」という楠本が“日本代表”として、「NIKE CHANCE グローバルセレクション」へチャレンジ。海外でプロになることを目指して臨んでくる世界の若き才能たちを、それ以上に強い思いで打ち倒す。

(取材・文 吉田太郎)
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