日本代表が3日、都内に集合し、2014年初陣となる5日のニュージーランド戦(国立)に向けて合宿を開始した。前日2日に試合のあったMF本田圭佑(ミラン)、DF酒井高徳(シュツットガルト)、GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)を除く20人が集合。発熱のため参加を辞退したFW柿谷曜一朗(C大阪)に代わって追加招集されたFW豊田陽平(鳥栖)も練習に参加した。

以下、練習後の選手コメント

●FW大迫勇也(1860ミュンヘン)
―ドイツに移籍して初の代表戦だが?
「移動して試合をするだけだから」
―時差ボケは?
「全然大丈夫」
―練習後に豊田、工藤の3人で監督から指示を受けていたが?
「FWの細かいところ。一応頭に入れておいてくれと。相手の嫌がること、嫌がることという感じだった。それを続けることで変わってくるのかな。やってみないと分からない」
―ニュージーランド戦に向けては?
「内容も結果もいいものにしないといけない。FWだから目に見える結果が大事。点を取って、なおかつ周りとの連係でもいいところを見せないと」
―柿谷が発熱で辞退したが?
「残念なことだけど、意識しすぎるのもよくないので。僕は僕でマイペースにがんばりたい」
―現在の国立では最後の代表戦だが?
「鹿島で優勝させてもらったり、鹿島での思い出が多い」
―選手権は?
「悔しい思い出だったから。国立のいい思い出は鹿島でのことですね」
―代表戦後も連戦が続くが?
「サッカー選手としてはいいこと。目の前の試合に全力を尽くすだけ」
―ドイツのDFと対戦している経験も生かせる?
「激しさもあるし、そこはやっていくうちにプラスになるのかな」

●FW豊田陽平(鳥栖)
―柿谷の辞退で追加招集となったが?
「気持ち的には本当にビックリしたというのがある。でも、限りなく少ないチャンスが巡ってきたと思っているので、それをどうにかしてモノにしないといけない」
―ウルグアイ戦以来、約半年ぶりの招集となったが?
「その間、自分の中で浮き沈みもあったと思うが、それでも絶対にあきらめたくないという気持ちがあった。しっかり準備をしようという気持ちもあったし、自分を応援してくださっている方も期待してくれているので、その期待に応えたい気持ちもあるので、そこはあきらめずに気持ちをずっとを持っていた。しっかりと得点を狙いつつも、自分の特長や気迫を出しながら、代表に選ばれたいんだという気持ちを前面に出してやりたいと思う」
―今までの代表では自分の力を発揮できなかった?
「まったくではないと思うけど、FWなので結果がどうしても求められるところがあるので、得点というのを意識しながら。でも僕はW杯をステップアップとは考えていなくて、そこのためにサッカー人生を賭けている。日本のためにというところもすごく意識している。日本のために戦って、あとはどうなってもいいとは言わないけど、どれだけ自分の体を日本のために捧げられるかというのを考えながらやっていきたい」
―代表から遠ざかっていて、厳しいのかなという気持ちはなかった?
「チャンスは絶対にあると思っていたし、ザッケローニ監督も常にオープンにしていると言っているので、そこは絶対にあきらめたくなかった。僕もそうだけど、周りで応援してくださっている方が期待してくれているので、そこは僕自身絶対にあきらめたくない」

●FW岡崎慎司(マインツ)
―ニュージーランドはギリシャに似た部分もある?
「そこまで似せることはできないと思うけど、引いてきた相手に自分たちは苦戦することが多いので、そういう相手に対してどこまで迫力を持った攻撃をできるか。そういう相手にはみんなが動いて、相手が乱れないところを乱すようなプレーが必要になってくる。相手をかき乱せるようにしたいなと思うし、少ないチャンスでゴールを決めれば、相手は前に出ないといけないので、そういう展開にできればいいなと思う」
―クラブだとトップで、代表ではサイドだが、切り替えは?
「やってみないと分からないけど、代表で自分が右サイドをやっていても、イメージとしてはFWをやっているような感覚でやれているので、そういう感覚でやっていきたいなと思う」
―チームでトップでやっているからこそできる動きもある?
「個人的にはワイドに張った状態で(相手の)サイドバックやセンターバックのところに果敢に飛び出していくこと。1トップをやっているときでも右サイドによく流れたりするので、そこから崩すイメージは持てている。そこで1対1や2対1で自分が優位に立てれば、チームにとっても大きいのかなと思うし、そういうところで生かせるのかなと思う」

●FW工藤壮人(柏)
―練習後にFW陣がザッケローニ監督から指導を受けていたが?
「FWのゴール前の入り方とか、ザッケローニ監督の考えというか、FWはこうした方がいいんじゃないという話をされた」
―大迫や豊田と一緒に指導を受けていたが、1トップで起用される可能性もある?
「そういうことではないと思う。ただ、ザッケローニ監督がJリーグの試合を見たのか分からないけど、そういうようなアドバイスをいただいたので、自分の中で参考にしたいなと思うし、生かしていければと考えている」
―開幕戦でもゴールを決めたが、代表でも結果にこだわる?
「もちろん、結果を残さないといけない立場だし、試合に出る出ないにかかわらず、チームのためにしっかりと結果を残し続けることが大事だと思う」

●MF香川真司(マンチェスター・U)
―昨年11月以来の代表だが?
「久しぶりなのですごく楽しみ」
―ベルギー遠征のいいイメージも残っている?
「いい形でヨーロッパで戦えて、自信になったところもある。継続してやっていけないといけない。代表は間隔が空くので、難しさもあるけど、それを求められている」
―28日に帰国してからは?
「ジムでトレーニングをして、時間があれば少しリフレッシュした」
―ニュージーランド戦に向けては?
「いい形でチームとして戦いたい。試合を楽しみにしているし、代表としてW杯も近いので中身のある試合にしたい。個人的にも試合を楽しんで、やっぱり結果を残したい。こんなに長い間、点が取れないのは初めて。いいきっかけになるようにしたい」
―現在の国立では最後の代表戦だが?
「新しくリニューアルされるのも楽しみだけど、歴史あるスタジアムが閉じるというのはさみしい。あこがれの舞台だったし、好きなスタジアムだったので。国立最後の試合を楽しみながらプレーしたい」
―クラブでなかなか出場機会に恵まれていないが?
「試合に出続けることが選手にとって大事だし、それは当たり前のことだけど、どうしようもない部分もある。それはピッチで結果を出さないと得られないものだし、ポジティブに捉えて、次の試合がそのきっかけになればいいし、それが無理だったら、またその次、がんばればいい」
―コンディションは?
「練習はハードなほうなのでそこでうまくコンディションを上げている。ただ、練習と試合では違うので、その難しさはある。試合をやりながらつかむしかない」
―国立と言えば?
「高校サッカーですね。あとは天皇杯とか。代表戦はあんまりかな。韓国戦で途中出場して途中交代させられているので(笑)」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―別メニューだったが、左足首の状態が良くない?
「いや、試合をしても悪くはなっていないので」
―W杯イヤー初戦だが?
「しっかりと良い内容で、勝ち切るサッカーをしたい。久々に集まっているので、戦い方の確認もしながらの戦いになると思うけど、勝って初戦を終えるのが一番大事かなと思う」
―長谷部がケガで不在だが、山口や青山とどういう形で連係を深めていく?
「(山口)蛍にしても青山にしても、ものすごくたくさんの時間やったわけでないし、試合もしていないので、今回が非常に重要になると思うし、お互いが良い部分を出し合えれば、それで十分だと思う。あとはバランスを考えないといけないけど、お互いが良い距離感で良い持ち味が出せるようにしていきたい」
―長谷部がいないときにはキャプテンマークを巻いてきたが、そのあたりの意識は?
「一切何も考えてない。(長谷部が)いないのであれば、いないなりにやると思うし、長谷部が今までやってきたことをだれか一人で背負うこともないので、いるメンバーがしっかりと強い気持ちを持ってやれれば大きな問題はないと思う」
―それぞれが声を出し合って?
「そうですね。特別に何かを変える必要もないと思う。今日は僕は別メニューだったけど、良い雰囲気で明日も練習するだろうし、チーム全体として初戦に向けて良い状態に持っていければいいと思う」

●MF山口蛍(C大阪)
―代表に臨むスタンスは今までと変わらない?
「そうですね。自分が出るとか、そういうのもあまり考えていないので。チャンスが与えられれば、自分のやることをまっとうするだけだし、時間が長いにしろ短いにしろ、その時間で自分の役割を果たすのが大事だと思う」
―代表発表のときはカバーリングの話もしていたが、その意識が大きくなる?
「大きくなるというか、自分のそういう部分が特徴でもあるし、それは見せていかないといけないところ。あとは自分が、というより、日本代表として戦うにあたって、勝つのが一番なので。自分が出るよりもチームが勝つというのが最初に頭に来る。それに貢献するとなると、自分が守備の負担を減らしたり、カバーしたりするということが頭に浮かんでくる」
―遠藤や長谷部とは違う持ち味を出すことを意識していく?
「意識してというか、自分にはヤットさん(遠藤)やハセさん(長谷部)が持っているものはないので、自分の持っているものを出すしかないので」
―持っているものを具体的に言うと。
「カバーリングの部分や広範囲に動けるところだと思う」
―現在のコンディションは?
「セレッソで始動して徐々に上がってきているし、ACLのときよりはJリーグの方が良くなっていたので、コンディションとしてはかなり良くなってきている状態だと思う」

●MF青山敏弘(広島)
「自分がしっかりコンディションを整えて臨めればそれなりにできるとは思うけど、自分はアピールが足りないので、プラスアルファを出せるかどうか。それが今、試されていると思う。縦の勝負というのは監督も求めているところ。そのタイミングを大事にしたい」
―ボランチの競争は激しいが?
「客観的に見て5番手(笑)。でも5番手の選手をわざわざ広島まで見に来てくれる。感謝しかないし、それに応えるしかない。そういう思いが勝手に伝わってくる。結果を出さないといけない。ここで呼ばれるというのは本当にチャンスがあると思っている」
―前回呼ばれた昨年9月の合宿は虫垂炎で途中離脱となったが?
「結局は実力。足元を見ながらやってきたし、ここで呼ばれたのも、自分のやってきたことが結果につながったからだと思う。何をやってきたのかはグラウンドでしか出せない。チャレンジしていきたい」

●DF長友佑都(インテル)
―久々の代表だが?
「久しぶりに集まって、みんなでいろんな話をしている。雰囲気はいい感じで入れたと思う」
―別メニュー調整だったが?
「日本に着いたばかりなのと、日本時間の昨日の朝に試合だったので、今日はダウンということでケアした」
―ケガではない?
「大丈夫です」
―ニュージーランド戦に向けては?
「W杯まで時間がないし、ここで自分たちのサッカーを試さないといけない。W杯の気持ちで戦いたい」
―どんなプレーを意識する?
「今までと変わらずチームのために走って、守備のあとに攻撃に絡むパフォーマンスを自分自身期待している」
―今回は長谷部、内田がケガで不在だが?
「ケガで選手が欠けることはある。一人ひとりがチームを引っ張るつもりでやっていきたい」

(取材・文　西山紘平、折戸岳彦)