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[デンソーカップチャレンジ]1、2年生のみの全日本大学選抜が関西選抜破り頂点に!

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[3.2 デンソーカップチャレンジ決勝 全日本大学選抜2-0関西選抜]

 大学サッカーの地域選抜大会、第28回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会(宮崎)は2日に決勝を行い、関西選抜を2-0で下した全日本大学選抜が優勝した。

 今大会1、2年生のみで大会に臨みながらも、優勝候補の一角である関東選抜Aを2-0で下して決勝進出を果たした全日本選抜と、連覇を狙うディフェンディングチャンピオンの関西選抜。FW澤上竜二(大阪体育大2年=飛龍高)、FW呉屋大翔(関西学院大2年=流通経済大柏高)といった関西屈指のストライカーが全日本に参加しているだけに、関西が苦戦するかと思われたが、立ち上がりに主導権を握ったのは関西だった。守備陣の変更はあったものの、中盤から前にかけては3試合ほぼ同メンバーで臨んだ全日本と、準決勝と大きくメンバーを変えてきた関西の体力の差が、序盤から大きく出た形となった。

 関西は右サイドの茂平(立命館大2年=大分U-18)、左サイドの加藤大樹(びわこ成蹊スポーツ大3年=立正大淞南高)を中心とした縦への速い突破に原口拓人(関西大3年=G大阪ユース)が走り込むなどして全日本ゴールを狙う。対する全日本は、なかなかシュートまで持ち込めない時間帯が続いたが、17分にCKのチャンスをつかむと、松下のキックに前線まであがっていたCB木下恭生(福岡大2年=静岡学園高)があわせ、ゴール前に。そこに飛び込んできた澤上がヘディングで押し込んで全日本が先制点をあげる。

 先制点をあげたことで勢いづいた全日本は、DFラインを高くとって21分にも右サイドのMF端山豪(慶應義塾大2年=東京Vユース)、23分には左サイドのMF小林成豪(関西学院大2年=神戸U-18)らが起点となりチャンスを作る。25分に関西にカウンターを食らうものの、これは今大会初出場のGK石井綾(中京大2年=名古屋U18)が好判断で跳ね返しゴールならず。続くCKもきっちりと守りきり、試合の流れは全日本に傾きかけた。

 しかし、30分に関西CB坂本修佑(大阪体育大3年=初芝橋本高)と全日本FW呉屋が接触し、坂本が福森直也(関西学院大3年=金光大阪高)と負傷交代すると、試合は再び一進一退に。関西は中盤でボールをキープ。ボールを細かくつないで同点弾を狙うが、全日本の両SB、室屋成(明治大1年=青森山田高)、高橋諒(明治大2年=国見高)の粘り強い守備を崩しきることができず、1点ビハインドのまま前半を終えた。

 後半に入ると、全日本はDF仲島義貴(国士舘大2年=神戸U-18)を萩間大樹(専修大2年=川崎F U-18)に交代。さらにGK福島春樹(専修大2年=静岡学園高)を投入する。前半同様、序盤は関西ペースながら全日本もチャンスを作り、7分には呉屋のドリブル突破、11分には小林、端山とつないでゴール前に攻め込む。しかし、関西選抜のディフェンスラインを崩しきるまでにはいたらず、攻めあぐねる時間帯が続く。

 一方、なかなかチャンスを作れない関西は17分に内田恭兵(関西大3年=磐田ユース)、望月聖矢(大阪学院大3年=G大阪ユース)、小幡元輝(関西学院大3年=名古屋U18)、河田篤秀(阪南大3年=阪南大高)の4人を一気に投入。エース河田と、2試合連続得点中の小幡を送り込むことで試合の流れを変えようとする。

 だが24分には、これまでなかなか決定機を作れなかった全日本が、ついに追加点をマークする。左SB高橋を起点に小林がドリブル突破で前線まで持ち上がりシュート。一度はGK朴昇利(大阪産業大3年=大阪朝鮮高)がはじいたものの、そのこぼれ球をほとんどフリーの状態で右サイドから詰めていた呉屋が押し込んでゴールをあげた。

 2点のビハインドを負った関西は、その後怒濤の反撃を見えるが、全日本は國吉祐介(大阪体育大2年=四日市中央工高)、湯澤聖人(流通経済大2年=流通経済大柏高)、小口大貴(専修大1年=川崎F U-18)らを立て続けに投入して中盤からディフェンスラインを強化。関西は徳永裕大(関西学院大1年=G大阪ユース)、望月らが中盤でボールを奪うとテンポよくパスをつないで波状攻撃をしかけるが、シュートチャンスを作る前に全日本がブロックしてゴールならず。試合を支配したとはいえないが、決めるべきところで決めるべき選手がきっちりと決め、最後まで粘り強く守りきった全日本が、2年ぶりに関西からチャンピオンの座を奪取した。関西も全日本に対して互角以上のゲームを展開。チームとしての完成度や構成力では全日本を上回りながらも、ラストプレーの精度と決定力に欠いた結果、2年連続の優勝を逃すこととなった。

(取材・文 飯嶋玲子)

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