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J3開幕、昨季JFL王者の長野が福島を下して好発進

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[3.9 J3第1節 長野1-0福島 味フィ西]

 J3第1節が行われ、味の素フィールド西が丘ではAC長野パルセイロ福島ユナイテッドFCが対戦。長野はホーム開幕戦をホームスタジアムで実施しようと検討をすすめていたが、佐久総合運動公園陸上競技場の凍結状態が想定されるだけでなくピッチの養生等の問題があり、開幕戦を西が丘で迎えた。試合は前半16分にFW高橋駿太の得点でリードした昨季JFL王者の長野が終始、試合を支配して1-0の完封勝利。J3初戦を白星で飾り、好スタートを切った。

 長野のシステムは4-4-2で、GKに田中謙吾、4バックは右から西口諒、大島嵩弘、松原優吉、高野耕平。ドイス・ボランチは有永一生と大橋良隆が組み、サイドハーフは右に向慎一、左に佐藤悠希、2トップには宇野沢祐次と高橋駿太が並んだ。

 対する福島は4-1-4-1。GKは内藤友康で、4バックは右から野田明弘、時崎塁、岡田亮太、堀米悠斗。アンカーに鴨志田誉、2列目には右から石堂和人、益子義浩、内山俊彦、久野純弥が並び、1トップを金功青が務めた。

 試合開始から主導権を握ったのは、地元から駆け付けた多くのサポーターの声援を受ける長野だった。前半4分にMF向慎一がファーストシュートを放つと、その後はボランチのMF有永一生を中心に左右に散らして攻撃のリズムを作った。細かくパスをつないで攻撃を組み立てる中、アクセントを加えたのが高橋の動き。相手DFと駆け引きをしながら、最終ラインの裏を狙い続けてボールを呼び込んだ。

 そして待望の先制点が前半16分に生まれる。右サイドでボールを受けた向のスルーパスに反応した高橋が相手DFを置き去りにすると、落ち着いて右足で流し込んで、チームのJ3初得点となる貴重な先制ゴールを記録した。

 対する福島はボールを保持してもパスがつながらずに攻撃の形を作れない。CBこそフリーでボールをさばけるもののSBやアンカーにボールが入ると長野の激しいプレスに遭い、1トップのFW金功青に縦パスを入れても2CBに激しく寄せられて収め切れずにボールを失った。福島のファーストシュートはFW石堂和人がダイビングヘッドで合わせた前半38分の場面となったように、前半は完全に長野ペースで試合が進んだ。

 1点のビハインドを背負っている福島は、後半開始と同時にMF鴨志田誉に代えてMF安東輝を投入。前半途中から最前線に移ったFW石堂和人が引き続き1トップの位置に入り、反撃を試みる。だが、流れは大きく変わらず長野にリズムを作られ、何度もPA内への侵入を許してしまう。DF陣が体を張って追加点こそ許さないが、攻撃陣は後半7分にFW金功青のCKからDF時崎塁がヘッドで狙いゴールを脅かす場面こそあったが同点ゴールを奪うには至らない。

 追加点を奪って福島を突き放したい長野は両SBが果敢なオーバーラップを繰り返して好機を作るが、後半11分の向、同13分のFW佐藤悠希のシュートはともに枠を捉えず。試合がこう着し始めた同26分には先制点を決めた高橋に代えてFW勝又慶典を投入して、攻撃の活性化を図った。しかし2点目は生まれず、さらに同27分には途中出場したFW小林康剛にヘッドで、後半ロスタイムにはFW久野純弥に左足でゴールを脅かされるなどピンチも招いたが、試合はこのまま終了。スコアこそ1-0の最少得点差となったが、昨季JFL王者の力を示した長野がJ3初戦を堂々と白星で飾った。

(取材・文 折戸岳彦)

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