beacon

[イギョラ杯]久々の屋外ゲームも要所で持ち味発揮、札幌U-18が習志野の勢い跳ね除けPK戦制す

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.19 イギョラカップA組 習志野高1-1(PK5-6)札幌U-18 味フィ西]

 第24回2014国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」が19日に開幕し、予選リーグA組の習志野高(千葉)対コンサドーレ札幌U-18(北海道)戦は1-1で突入したPK戦の末に札幌U-18が6-5で勝利した。高校年代の強豪16チームが参加している大会は21日まで都内で開催され、21日には決勝戦などが開催される。

 雪の北海道では40×25mほどの室内練習場でトレーニングする日々。札幌U-18は冬の遠征に帯同した選手で約40日ぶり、この日屋外では3か月ぶりの対外試合だった選手もいたという。確かにフルコートの空間の感覚など試合勘を掴む部分に時間がかかり、特に前半は四方田修平監督が「球際のフィジカル、コンタクトが強かったですね」と母校でもある習志野を評したように、球際で強さを発揮した相手の勢いを受ける形となってしまった。

 それでも指揮官が「(室内でできることとして)続けてきた」という連係からの崩しはさすが。札幌U-18は今大会、U-19日本代表DF進藤亮佑とU-17日本代表MF杉山雄太が不在で、また「かわして打つとか、スペースを取るとか、クロスを通すとかはまだまだ」(四方田監督)というものの、トップチームのキャンプを経験した成長株の187cmFW平川元樹や、これまでスーパーサブとしてチームを救ってきたMF藤井慎之輔が持ち味を発揮するなど相手を振り切って白星をおさめた。

 習志野は前半3分に右サイドからFW串間竜弥が強烈な右足シュート。この日強豪相手に攻撃力を示していた高速SB佐古大輔とFW藤池翼の右サイドが抜群のスピードを見せ、技術とコンタクトの強さを見せるFW前田昂輝や串間がDFと入れ替わって抜け出すシーンが見られた。ただし、コンビネーションから平川やFW粟飯原尚平が巧みに相手の背後を取っていた札幌U-18が先制する。
 
 14分、CB按田頼が自陣で競り勝つと、そこから素早くボールをつなぎ、右中間からドリブルで仕掛けた栗飯原と藤井が絶妙なタイミングでスイッチ。フリーとなった藤井が難なくシュートを決めてリードを奪った。ただ習志野は直後の16分、左クロスがファーサイドへ流れたものの、ここでボールを落ち着かせると一気に駆け上がってきた佐古がゴールライン際まで切れ込みクロス。これを前田が右足でゴールへ叩き込んで同点に追いついた。

 球際での当たり強く、個の強さを活かしたオープン攻撃からゴールへ迫る習志野は前半31分にも串間がPAから決定的な左足シュート。だがGK種村優志が触ったボールはクロスバーを叩いて勝ち越すことができない。一方の札幌U-18も後半5分に左サイドからのショートパスでPAを攻略し、最後は2列目から飛び込んできたFW久保田誠悟が決定的な右足シュートを放ったが、枠を捉えることができなかった。

 札幌U-18は前半やや目立った攻守両面でのミスを減らし、試合の主導権を握って攻めていたが、クロス、ラストパスがわずかに合わないなど得点に結びつけられなかった。一方の習志野は後半33分、PAからMF米田悠斗らが3連続シュート。その後もカウンターから決定機をつくり出すなど勝機は十分にあったが、決めきることができずに1-1のままPK戦へもつれ込んだ。

 PK戦では2人目が外した札幌U-18に対し、後攻の習志野は4人目まですべて成功。だが決めれば勝利の5人目のシュートを札幌U-18GK種村が右へ跳んで止める。そして7人目に決着。札幌U-18の久保田がGKの手を弾きながらも決めたのに対し、習志野7人目のシュートはゴール上方へ外れ、札幌U-18が6-5で勝った。

 毎年、年代別代表クラスの選手を複数トップチームへ送り出している札幌U-18。高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTでは11年に初代王者に輝いている。そのプレミアリーグ開幕まであと2週間強。急ピッチで試合勘などを取り戻していかなければならない。ただ種村は「プレッシャーもあるんですけど、先輩を抜くくらいの気持ちで、自分たちも3冠を目指している。勝ち続けることは簡単ではないですけれど、気持ち強く優勝を目指していく」。先輩たちがやってきたように、自分たちも結果を出すだけだ。

(取材・文 吉田太郎)

TOP