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今季初先発で攻撃を操った千葉MF兵働「もどかしい1カ月だった」

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[3.30 J2第5節 千葉3-0熊本 フクアリ]

 もどかしい時間を過ごしてきた男は、ようやく先発の座をつかみチームの勝利に貢献した。今季初先発を飾ったジェフユナイテッド千葉のMF兵働昭弘は、「もどかしい1カ月だった。試合に出たい気持ちはもちろんありましたが、自分に何かが足りないからだと思っていたし、日々の練習から自分の出せるものを出せていけるようにと考えていました」とベンチを温めた日々を振り返った。だからこそ、この試合に賭ける思いは強かった。

 ボランチの位置で先発出場しながらも、兵働は開始わずか1分でミドルレンジからファーストシュートを放っている。ミドルシュートは自身の持ち味の一つであるだけでなく、「ボランチの選手がPA付近まで上がってシュートを打てているときはチームが押し込んでいる証拠」と語ったように、前半10分に早々と2本目のシュートを放った背番号10が積極的な姿勢を示した序盤、確かに千葉は熊本を押し込んでいた。

 ゴールへの意欲を十分に見せながらも、組み立ての部分でも輝いた。「ボランチのところで攻撃の起点となり、そこからしっかりとパスを出そうとした。熊本がボールサイドに寄るという分析もあったので、少し下がってフリーになってボールを引き出し、逆サイドに振るように意識していました」。その言葉どおり、中盤の底でボールを受けると左右に散らして、攻撃にリズムを生み続けた。

 しかし、チームとして攻撃をスピードアップさせる縦パスをなかなか打ち込めなかったことを反省しており、「ボールを奪った後のファーストチョイスで縦パスを狙えるのに狙わなかったり、相手が狙っているところに出してしまったのが目立ったかもしれない」と語ったが、「しっかりと縦パスを入れられれば攻撃をスピードアップさせられるし、そこにサポートがつけば分厚い攻撃ができるようになると思う」と今後に向けての意欲を示した。3試合ぶりの勝利に手応えをつかんだのかと思いきや、「もっとやって行かないとJ1昇格は無理。まだまだです」と快勝にも気を緩めることはなかった。

(取材・文 折戸岳彦)

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