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[関東大会予選]強力カルテットで4発!ポゼッションスタイルで神奈川制圧目指す麻布大附が日大藤沢撃破:神奈川

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[4.26 関東大会神奈川県予選5回戦 日大藤沢高 1-4 麻布大附高 東海大相模高G]

 平成26年度高校サッカー関東大会神奈川県予選は26日、5回戦を行い、8強が決まった。昨年、神奈川県第1代表として全国高校総体に出場した麻布大附高日大藤沢高との一戦は、麻布大附が4-1で勝った。

「神奈川3冠」「日本一」を目標に掲げる麻布大附が、注目MF田場ディエゴ(3年)中心に前評判の高かった日大藤沢との強豪対決を制した。試合開始直後に田場が敵陣ゴールライン付近で3人に囲まれながらもキープしていきなり会場を沸かせるなど立ち上がりは日大藤沢が入り良く試合を進めたが、FW竿下征也(3年)が「あれしかできないですよ、オレたち。ポゼッションしかやっていないから他のことはできない。蹴るんじゃなくて、高校生でも、つないで、つないで、こういうサッカーができるんだというところを全国に見せたい」と徹底的にポゼッションをトレーニングしている麻布大渕野辺が、すぐにボールを握って攻め始める。

 そして9分、PA内左寄りの位置でボールを受けた10番MF塚越亮(3年)が反転しながら中央へ絶妙なラストパス。これを受けたFW阿部速秀主将(3年)が左足でゴール左隅を破り、早くも麻布大附がリードを奪った。この後は麻布大附がハイレベルなポゼッションゲームを展開。相手は球際で厳しく来ていたが、中央で正確な1タッチ、2タッチのパスを3本、4本とつないで前進していく。たとえスペースを失っても塚越とMF中山克広(3年)のダブル司令塔が抜群のキープ力と突破力を発揮して切り抜けてしまう。麻布大渕野辺は奪われたあとの守備もハマり、12分にはインターセプトした塚越のラストパスから阿部が決定的なシュート。18分には左サイドをドリブル突破したSB梅崎奨太(3年)のラストパスを阿部が左足で叩く。さらに19分には日大藤沢GK落合裕太(3年)のファインセーブに阻まれたものの、塚越の絶妙な右足ループシュートがゴールを捉えた。

 日大藤沢もスピード豊かな左MF今井裕太(3年)の縦への突破や中盤で攻守に大車輪の動きを見せていたMF砂賀拓巳(3年)を中心に反撃。17分には左サイドで1対1を制した今井を起点にチャンスを迎え、23分には大型FW住吉ジェラニレショーン(2年)が空中戦で競り勝ち、今井が左足シュートへ持ち込む。

 だが麻布大附は27分、左サイドでキープした塚越がPA中央へパスを送ると、スピードをもって飛び込んできた竿下が絶妙なタッチでのコントロールからPKを獲得。これを竿下が右足で右隅へ決めて2-0とした。日大藤沢は麻布大附のテンポのいいパスに振り回され、前半はファウルの数が増えてしまっていた。だが、後半は立ち上がりからインターセプトする回数が増加。勢いある相手の攻守に受け身だった麻布大附は苦しいクリアが増えてしまい、試合の流れは日大藤沢に移った。

 セカンドボールを次々と回収し、ボールを支配して攻める日大藤沢は11分、砂賀がゴール正面から放った右足シュートがGK秋山直也(3年)の手を弾いてポストを叩く。このこぼれ球に田場がいち早くゴールエリアで反応したものの、シュートは力なく秋山の腕の中に収まってしまう。10分間近く、自陣に押し込まれるような時間帯が続いた麻布大附もシンプルにボールを動かして攻撃回数を増やした。だが、25分に中山が放った強烈な右足ミドルが左ポストを叩くと、直後から日大藤沢に立て続けにビッグチャンスが訪れる。

 26分、日大藤沢は攻撃参加した右SB近藤凌(3年)の斜めのスルーパスがPAの今井へ入ると、直後にも巧みな身のこなしで左中間を抜け出した田場が左足を振りぬく。GK秋山の好守などによって1点が遠かった日大藤沢だったが27分、交代出場のFW鈴木孝之介(3年)が右タッチラインを割りそうだったボールを執念のオーバーヘッドでつなぐと、右サイドPAやや後方の位置で競り合ったMF西尾隼秀(2年)がFKを獲得。左足から質の高いキックを続けていた西尾がこのFKでも自ら左足を振りぬくと、鮮やかな弧を描いた一撃が逆サイドのゴールネットを揺らした。

 後半押し気味だった試合展開の中で奪った1点。一気に相手を飲み込もうとした日大藤沢だったが、麻布大附は直後、キックオフから止めることなくボールをつなぐと、左サイドから中山、阿部、竿下のパス交換で中央まで運び、最後は塚越が右足を振りぬく。DFに当たってコースの変わったシュートがゴールラインを越えて3-1。「あれは凄かった。この試合で大きかったのは1点目とあの3点目だった」と安彦篤監督も目を細めた一撃によって麻布大附のリードは再び2点となった。日大藤沢もこの後決定機をつくったが、麻布大附はアディショナルタイムにも抜群の個人技で相手守備網を突破した中山が左足シュートをゴールへ突き刺して4-1で勝利した。

 麻布大附は昨年から主力だった阿部、竿下、中山、塚越の強力な攻撃カルテットが、この日4人すべて得点するなどその破壊力を披露。また彼らを支えるMF宮澤博人とMF伊藤太玖(ともに3年)のダブルボランチが質を下げることなく、パスワークに加わっていたことも大きかった。昨年のチームは全国高校総体初戦で名門・星稜高(石川)相手にもボールを動かして攻めることができていたというが、我慢された末に先制され、追いついたもののPK戦で敗退。ただCB岸星斗(3年)とGK秋山含めた経験者たちは、自分たちのサッカーが全国トップレベル相手にも通用したという自信をもって今年に臨んでいる。

 この日は前半こそ自分たちのサッカーを展開したものの、後半は相手のプレッシャーの前に苦しんでリズムを失う時間帯があった。それだけにまだまだチームとして貪欲に完成度を高めていかなければならない。安彦監督は「(きょうのように強豪との対戦の中で)スペースがなくなったときにどのくらいできるのか、現在地が分かる。ビビらないで、このサッカーを本当にコンスタントにしていかないといけない」。ただ4ゴールをもぎ取ったこの試合でポテンシャルの高さを示したことも確か。桐光学園高や桐蔭学園高など強豪ひしめく神奈川で「今の神奈川はどこが勝つか分からない。それをウチが変えたい」と高い志を持つ麻布大渕野辺がそのポゼッションスタイルで神奈川完全制覇と日本一を目指す。

[写真]前半9分、麻布大附はFW阿部が左足で先制ゴール
 
(取材・文 吉田太郎)

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