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[MOM1019]桐蔭学園FW栗原陽一(3年)_点取り屋として期待のFWが2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.26 関東大会神奈川県予選5回戦 桐蔭学園高 4-0 藤沢西高 東海大相模高G]

 神奈川県U-18サッカーリーグ1部では開幕からの3試合で4得点。そして関東大会予選初戦となったこの日も2ゴールと、桐蔭学園高の10番FW栗原陽一(3年)が点取り屋としての期待に応えている。神奈川の強豪・東急SレイエスSC時代は2年時までが主に左SBで3年時がFW。高校に入ってからはトップ下やサイドハーフをやってきたというが、高い技術と動き出しの速さを持つ栗原は3年になって再びFW起用されるようになった。この日の2得点にも賎機徳彦監督は「ボクの中では(彼の本領、期待値の)まだ6、7割くらいですよ」と厳しい。また本人は「安藤(峻哉)君とかが運んでくれて、ボクは決めるだけという状況をつくってくれている。周りのみんなに助けられている」と語るが、期待のFWはチームに貴重なゴールをもたらし続けている。

 高い身体能力を持っている訳ではない。ただ、壁役として前線で正確なポストワークをしてチームの攻撃を活性化。相手に当たり負けしないように、DFに触れられないような動き出しや1タッチの技術を高めてきた。味方のパスワークの精度を高める重要な役割をしつつ、フィニッシャーとしての高い意識を持っている。相手DFの集中力が欠けた時や疲労している時を見計らい、自信を持っている一瞬の動きで振り切ってゴールを陥れる。

 この日の2得点も相手の背後を狙ったもの。特に1点目はFW景山亜月のループパスを引き出すと、PAで浮き球を絶妙なコントロール。冷静に左足でゴールを破った。そして「泥臭さは意識している。粘り強くやるのは賎機監督のコンセプト」という通りに2点目のシーンは、ボールに対して相手DFに先に身体を入れられながらも、身体を張って食い下がると足先でプッシュ。ゴールへねじ込んだ。

 憧れの存在は「アーセナル時代は中盤だったけれど、バルサでFWやってゼロトップのようにどこでもプレーできる。相手からすると一番困るようなFW。ポストプレーの落としも正確ですし、憧れています」というスペイン代表MFセスク・ファブレガス(バルセロナ)だ。ドリブル、パス、シュートとなんでもできる存在を目指しながら、その中で名門の10番を与えられ、FW起用されている今年は点を取ることにこだわる。「(10番は)自分的にも光栄ですし、期待されていると伝わってくる。点の取れるFW、点の取れる10番になっていきたい」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)

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