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前を見る長友「あきらめたら可能性はゼロになる」

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 0-0で引き分けたギリシャ戦から一夜明けた20日(日本時間21日)、日本代表は試合会場のナタルからチャーター機でベースキャンプ地のイトゥに戻り、同日午後にリカバリトレーニングを行った。練習後、報道陣の取材に応じたDF長友佑都(インテル)は自分に言い聞かせるように言った。

「後ろを見てもしょうがない。前を見るしかない。あとがないほど、前に行くしかない。そこは意識しなくても、自然とそうなる。あきらめたら可能性はゼロになる。そこは信じて戦うだけ」

 2試合を終えて1分1敗の勝ち点1。最終戦に望みはつないだとはいえ、決勝トーナメント進出のためには24日のコロンビア戦に勝ったうえで、コートジボワールがギリシャに引き分け以下に終わる必要がある。さらには得失点差も絡んでくる。

「厳しいのは自分たちが一番分かっている。ただ、やるしかない。それしか言えない」。W杯優勝を目標に掲げて大会に臨んだ。自信もあった。「どのチームよりも厳しい合宿をして、しっかり準備してきたと思っている」。だからこそ、もどかしさがある。

 ギリシャ戦は10人の相手を崩し切れず、0-0のスコアレスドロー。「結局は、引いた相手をどうやって崩していくか。ずっと課題にしていたけど、その課題をクリアできなかった」。相手が数的不利に立って割り切った部分もあるだろう。しかし、それだけではないとも感じている。

「ボールを持っていても、最終的な迫力や精度が欠けていた。行かなきゃいけないと分かっているのに、どこから攻めていくのか、どういう風に相手をこじ開けるのか。その共通意識が確実になかった。コンディションの問題ではないと自分たちでは思っている。ただ、迷いがあった」

 長友自身、前夜の試合が終わってからずっと考えていた。「何が理由なのか、探し求めていたけど……」。しかし、答えは出なかったという。とはいえ、今はもう過去を振り返ってばかりもいられない。コロンビア戦は、すぐにやってくる。「過去の試合を振り返っても、先は変わらない。まだ終わってない。可能性がまだあるなら、それを信じてやるだけ」。長友は何度もそう繰り返した。

(取材・文 西山紘平)

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