[選手権予選]残り1分の同点弾!PK戦制した初芝橋本が、苦しみながらも和歌山3冠達成!
[11.16 全国高校選手権和歌山県予選決勝 初芝橋本高 1-1(PK5-4)近大和歌山高 紀三井寺]
第93回全国高校サッカー選手権和歌山県予選の決勝が16日、紀三井寺公園陸上競技場で行われ、連覇を狙う初芝橋本高と5年ぶりの選手権を目指した近大和歌山高が対戦した。80分間で勝敗がつかずPK戦までもつれたが、PK戦を5-4で制した初芝橋本が2年連続13回目の選手権出場を決めた。
「喜んでええのかな?(笑)」。試合後、取材陣に喜びの声を訪ねられた阪中義博監督はとぼけながら、そう返した。冗談半分、本音半分。新人戦、全国高校総体予選に続く県3冠は決して楽なモノではなかった。
開始から初芝橋本が主導権を握るも、DF{{大野聖人}9を中心に粘り強い守備を見せた近大和歌山を崩し切ることができず。逆にボールを失ってからは、MF東山亮介を起点に素早く前線のスペースに展開し、速さのあるFW西垣内佑亮、MF南垣内萌生の飛び出しからチャンスを伺う近大和歌山の攻撃に手を焼いた。15分には中盤でルーズボールを拾った東山が縦にスルーパスを展開すると、MF笹野皓太がこれに反応。PA右で受けた所を初芝橋本GK立川小太郎が倒してしまい、PKを与えると、南垣内が落ち着いて決めて近大和歌山が先制した。
反撃に出たい初芝橋本だったが、「うちは前に行ってナンボやのに、まったく行こうとしなかった」(阪中監督)と攻撃のギアが入らず。それでも末吉塁、柳原慶斗が個の力で相手陣内へ押し込んだが、28分に狙った柳原のシュートがクロスバーに阻まれるなど得点することができなかった。
1点を追いかける形となった後半は、渡辺淳揮を中心に後方から左右を広く使ったボール回しで近大和歌山のスペースを作ると、前線へ縦パスを展開。フリーでボールを引き出した末吉やMF山本遼人のドリブル突破から決定機を作りだした。後半16分には自陣左で相手を喰い付かせると渡辺が一気にPA右へロングボールを展開。PA右外のMF川中健太にボールが入ると、ダイレクトでゴール前にパス。走り込んだ柳原がシュートを狙ったが、枠を捕えることができなかった。
その後も相手を押し込みながらも、「”いつか入るやろな、いつか入るやろな”という感じで時間だけが過ぎてしまった」(阪中監督)と追いつくことができない。反対にショートカウンターでピンチを生み、34分には南垣内に中央突破から途中出場のMF吉村和真にフリーでシュートを打たれたが、DF西岡伸の懸命なカバーで難を逃れた。
刻一刻とタイムアップが迫ってきたが、それでも初芝橋本は「3年間ずっとやってきたんだから大丈夫という自信があった」(渡辺)と焦ることなくボール回しで相手を揺さぶりながら、サイドを何度も攻略。打ち続けたジャブが、寸での所で効果を表した。39分に左サイドを高い位置まで持ち込んだDF岡本涼がクロスを上げたが、相手DFがブロック。こぼれ球を素早く拾うと、ライン際に追い詰められながらも粘り強く再び、クロスを展開した。ゴール前で構えていたのは186cmの長身FW市川久也。「自分がヒーローになろうと思っていた」という男の滞空時間の長いヘディングシュートがネットを揺らし、土壇場で同点に追いつき、勝負は延長戦に持ち込んだ。
延長戦でも初芝橋本が押し込みながらも、近大和歌山DFが集中力を切らさずに対応。シュートを打たれてもGK佐伯剛がしっかりと抑え込み、スコアは動かず試合はついにPK戦へ。ここでも両者譲らず4人目までが成功し、迎えた5人目。先行の近大和歌山のキックは枠を捕えず失敗に終わると、続く初芝橋本は末吉がきっちり決めて勝負あり。初芝橋本が勝利し、2年連続13回目の選手権出場を決めるとともに県3冠を達成した。
夏の全国総体では16強に進出した喜びよりも、2-3で準優勝した大津高(熊本)敗れた悔しさの方が選手たちには大きい。選手権での目標は夏以上の成績を残すこと。阪中監督は試合後、喜びに浸ることなく、選手たちに「(選手権の)チケットを掴むのがどれだけ大変か、今日改めてよく分かったと思う。せっかく掴んだチケットなんやから簡単に無くさないように日頃の生活から改めて行こう」と話しかけ、気持ちを引き締めた。冬の全国は、より高みへ。初芝橋本が静かながらも、力強い一歩を踏み出した。
(取材・文 森田将義)
組み合わせ抽選会は11月17日!!
"蹴都移転"注目の抽選会を今年も日テレG+では、生中継で放送。
高校サッカーの新たな歴史に名を刻むのは、どの高校か!?戦いは既に始まっている。
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【特設】高校選手権2014
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」特設ページ
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014
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「喜んでええのかな?(笑)」。試合後、取材陣に喜びの声を訪ねられた阪中義博監督はとぼけながら、そう返した。冗談半分、本音半分。新人戦、全国高校総体予選に続く県3冠は決して楽なモノではなかった。
開始から初芝橋本が主導権を握るも、DF{{大野聖人}9を中心に粘り強い守備を見せた近大和歌山を崩し切ることができず。逆にボールを失ってからは、MF東山亮介を起点に素早く前線のスペースに展開し、速さのあるFW西垣内佑亮、MF南垣内萌生の飛び出しからチャンスを伺う近大和歌山の攻撃に手を焼いた。15分には中盤でルーズボールを拾った東山が縦にスルーパスを展開すると、MF笹野皓太がこれに反応。PA右で受けた所を初芝橋本GK立川小太郎が倒してしまい、PKを与えると、南垣内が落ち着いて決めて近大和歌山が先制した。
反撃に出たい初芝橋本だったが、「うちは前に行ってナンボやのに、まったく行こうとしなかった」(阪中監督)と攻撃のギアが入らず。それでも末吉塁、柳原慶斗が個の力で相手陣内へ押し込んだが、28分に狙った柳原のシュートがクロスバーに阻まれるなど得点することができなかった。
1点を追いかける形となった後半は、渡辺淳揮を中心に後方から左右を広く使ったボール回しで近大和歌山のスペースを作ると、前線へ縦パスを展開。フリーでボールを引き出した末吉やMF山本遼人のドリブル突破から決定機を作りだした。後半16分には自陣左で相手を喰い付かせると渡辺が一気にPA右へロングボールを展開。PA右外のMF川中健太にボールが入ると、ダイレクトでゴール前にパス。走り込んだ柳原がシュートを狙ったが、枠を捕えることができなかった。
その後も相手を押し込みながらも、「”いつか入るやろな、いつか入るやろな”という感じで時間だけが過ぎてしまった」(阪中監督)と追いつくことができない。反対にショートカウンターでピンチを生み、34分には南垣内に中央突破から途中出場のMF吉村和真にフリーでシュートを打たれたが、DF西岡伸の懸命なカバーで難を逃れた。
刻一刻とタイムアップが迫ってきたが、それでも初芝橋本は「3年間ずっとやってきたんだから大丈夫という自信があった」(渡辺)と焦ることなくボール回しで相手を揺さぶりながら、サイドを何度も攻略。打ち続けたジャブが、寸での所で効果を表した。39分に左サイドを高い位置まで持ち込んだDF岡本涼がクロスを上げたが、相手DFがブロック。こぼれ球を素早く拾うと、ライン際に追い詰められながらも粘り強く再び、クロスを展開した。ゴール前で構えていたのは186cmの長身FW市川久也。「自分がヒーローになろうと思っていた」という男の滞空時間の長いヘディングシュートがネットを揺らし、土壇場で同点に追いつき、勝負は延長戦に持ち込んだ。
延長戦でも初芝橋本が押し込みながらも、近大和歌山DFが集中力を切らさずに対応。シュートを打たれてもGK佐伯剛がしっかりと抑え込み、スコアは動かず試合はついにPK戦へ。ここでも両者譲らず4人目までが成功し、迎えた5人目。先行の近大和歌山のキックは枠を捕えず失敗に終わると、続く初芝橋本は末吉がきっちり決めて勝負あり。初芝橋本が勝利し、2年連続13回目の選手権出場を決めるとともに県3冠を達成した。
夏の全国総体では16強に進出した喜びよりも、2-3で準優勝した大津高(熊本)敗れた悔しさの方が選手たちには大きい。選手権での目標は夏以上の成績を残すこと。阪中監督は試合後、喜びに浸ることなく、選手たちに「(選手権の)チケットを掴むのがどれだけ大変か、今日改めてよく分かったと思う。せっかく掴んだチケットなんやから簡単に無くさないように日頃の生活から改めて行こう」と話しかけ、気持ちを引き締めた。冬の全国は、より高みへ。初芝橋本が静かながらも、力強い一歩を踏み出した。
(取材・文 森田将義)
組み合わせ抽選会は11月17日!!
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