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[選手権]3年前の誓い、星稜FW森山&MF藤島&MF杉原「必ず日本一になろう」

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 3年前、3人は誓っていた。必ず、日本一になろうと――。

 星稜高(石川)の登録メンバー30人の中に、同じ思いを持って名古屋U15から星稜高へと進んだ3年生がいる。前線で活発に動いて攻守に貢献するFW森山泰希(3年=写真左)、サイドから切れ味鋭いドリブルを仕掛けて攻撃にアクセントを加えるMF藤島樹騎也(3年=中央)、そして準決勝の日大藤沢(神奈川)戦で約3カ月ぶりの先発を飾って得点を挙げたMF杉原啓太(3年=右)の3人だ。

 日大藤沢戦では3人が先発出場を果たし、前半35分には彼らの連係からチーム2点目を奪っている。左サイドでボールを持った藤島がタッチライン際を駆け上がる森山を見逃さずにヒールパスを送ると、森山のグラウンダーのクロスの流れから最後は杉原が押し込んだ。この得点には藤島も「中学からやってきた3人で崩せたので良かった」と笑顔を見せ、森山と杉原は「6年間、一緒にやってきているので、何がしたいのかは分かります」と長年、一緒にプレーしてきたからこそ出せた連係だと胸を張って話した。

 3人は3年前に星稜高へ進むことを決断した。「高校に進学するとき、3人で星稜に行くと決めて『絶対に優勝しようぜ』と誓い合いました」(藤島)、「中学のときは日本一になれなかったので、皆で日本一になろうと決めました」(森山)と当時を振り返ったように、『星稜で日本一』を目標にして切磋琢磨しながら成長してきた。

 しかし、決勝へと進んだ前回大会では森山だけが登録メンバーに入り、藤島と杉原はスタンドから試合を見つめていた。悔しさはあった。だが、「中学から一緒にやってきた森山が試合に出て活躍しているのに、僕は活躍できない現状でした。ただ、良い意味でライバルだし、森山が頑張っているから、僕も頑張ろうと良い刺激になっていました」と杉原が語ったように、森山から刺激を受けた2人は最上級生となった今年、同じピッチで躍動している。

 そして、3年前に立てた誓いである日本一へ、彼らはあと一歩のところまで勝ち上がってきた。準決勝後に藤島は「まさか3人とも出場して決勝進出できるとは…」と感慨深げに話したが、すぐさま視線を上に向けて「もう少しで願いが叶うところまで来れたので、決勝でも3人が出場して得点に絡んで優勝したい」と力強く語った。3年前に日本一を誓い合った3人の物語は明日、最終章を迎える。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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