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吉田達磨率いる柏が攻撃サッカーでACLプレーオフ制す、「嬉しいよりはホッとしてます」

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[2.17 ACLプレーオフ 柏3-2(延長)チョンブリ 柏]

 5年半にわたるネルシーニョ長期政権を経て、柏の下部組織やフロントで辣腕を振るっていた吉田達磨新監督を迎えた柏レイソル。前任者がJ1、天皇杯、ナビスコ杯を獲得し、常勝軍団をつくりあげていただけに、サポーターにとっては期待と不安の入り交じる新シーズンとなった。さらに、その初戦がACLプレーオフという大一番であることも拍車をかけていた。

 いざ試合が始まると、新チームが展開したのは攻撃的なサッカーだった。これまでの相手に合わせるリアクションサッカーから、自ら主導権を握るサッカーへ――。1か月という短い準備期間の中でも確実に表れていた。「自分たちが1か月やってきた中で、カタチは出ていたと思います」と主将のMF大谷秀和は確かな手応えを感じていた。

 もちろん課題も残った。シュートを47本放ち、決定機も数多くつくりながらも辛勝に終わったが、吉田監督にとっては課題でありながらも想定内でもあったようだ。「ゴールチャンスをつくれていることは充分前を向いていい要素だと思います。ただ、ゴールを決めないと(試合が)終わらないですから。シュート練習をしたからゴールが入るというものでもないと思いますが、ゴール前にかける時間は、チームをつくるというところではどうしても後回しになってくる」。

 吉田監督に請われてVVVから古巣に復帰したFW大津祐樹は、指揮官に厚い信頼を寄せる。「見ていて楽しいサッカーだと思う。それが達磨さんのサッカー。ポゼッションでも支配できるし、攻撃的。達磨さんはサッカーを読めるし、深いところまで知っているので、そういった監督のもとでプレーできるのは選手として幸せなこと。チームとしても個人としてももっと成長できる」。

「嬉しいよりはホッとしてます」。まずは初陣を白星で飾った吉田監督。これからの長いシーズンの中で、さらに進化した姿を見せてくれそうだ。

(取材・文 奥山典幸)

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