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[MOM1420]大宮ユースMF松崎快(3年)_フィニッシャーの才能引き出す「きっかけ」の2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.28 日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝 大宮ユース 4-0 札幌U-18 県立敷島]

 フィニッシャーとしての才能を引き出す「きっかけ」となる一戦だった。大宮アルディージャユースのMF松崎快(3年)は昨年のプリンスリーグ関東でもゴール連発して優勝に貢献している技巧派のアタッカー。だが今年は得意の仕掛けからシュートまで持ち込むものの、なかなか得点を奪うことができていなかった。

 今大会も4試合を終えた時点で得点はゼロ。FW川田拳登、MF黒川淳史、MF藤沼拓夢、MF長谷川元希という自身以外のアタッカー陣がスコアを記録している一方で、松崎は得点することができていなかった。だが、伊藤彰監督からのアドバイスを実践した松崎は見事にゴールという結果を残して見せる。3-0の後半27分、松崎はドリブルでボールを運ぶと川田に預けて、左中間のスペースへ抜け出す。川田からの正確なラストパスを受けた松崎は左足のファインショットをゴール右隅へ叩き込んだ。

「今までだったらドリブルで仕掛けてフィニッシュで終わるという形だったんですけど、『一回味方使って目線変えておけば自分も活きる』ということを言われた。2点目はその通りに取ることができた。人を使いながらということも意識してできたので、次は自分で中入っていってシュートという形も出てくると思いますし、敵が集まってきたらまた目線を外したり、そして最後自分が活きるというパターンが増えたのは良かった」と手ごたえを得た様子だった。

 伊藤監督も松崎のこの試合2点目については「2点目のところはそれを体現してくれて取ってくれたのはより彼の中でこのゲームというものは大切だったと思います。綺麗な得点でしたし、あの場面で打たせたら決める能力を持っている。ちょっと掴んでくれたらいいかなと思います」と笑顔。この日、松崎は持ち味の動きも発揮した。前半2度目の飲水タイム直後にはドリブルで相手の守備網に穴を開けて攻撃のスイッチ役となると、38分には川田のシュートのこぼれ球を拾い、DFのマークを外してから左足でゴールを破った。

 この1点目で気持ちはかなり楽になっていたという。U-18日本代表の黒川、川田ら大宮のアタッカー陣は全国トップクラスの陣容。ハイレベルなライバルたちの存在が自身を成長させた一方で、プレッシャーにもなっていた。「刺激になっています。だから逆に点取れないと焦りますし・・・・・・」。今年はゴールが取れそうで取れずに苦しいシーズンとなっていたが、主役になるだけの力は十分にあるだけに「きっかけ」の2ゴールを決めた彼の「これから」に注目だ。「どういう形でも点に絡む。アシストだったり、得点だったり、チームが苦しい時に勢い着けられるようにしたい」という背番号7が準決勝、決勝でも大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
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