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[選手権予選]成立学園のU-18オーストラリア代表SBオトゥール・コナー、U-20W杯アジア1次予選で日本と対戦へ

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[9.13 全国高校選手権東京都Bブロック2次予選1回戦 成立学園高 1-0 修徳高 清瀬内山]

 オーストラリアから留学生として日本にやってきた左SBはこの秋、U-18日本代表の前に立ちはだかるかもしれない注目プレーヤーだ。成立学園高の左SBオトゥール・コナーはこの日、修徳高の俊足MF根岸航とマッチアップ。相手に決定的な仕事をさせなかった一方、自身は「上がろうとしても7番(根岸)がずっとついて来るから。ボールも来ないし、やり辛かった」と前半は持ち味のオーバーラップをすることができず、宮内聡監督から「オマエは一本も行っていない。口ばかりだ」と厳しく指摘されたという。これで火のついたコナーは「『もっともっと上がれ』と言われて『やるしかない』と思って。後半になって相手も疲れてきて上がるスペースもあったし、そこに走って、ボールも来て」攻撃に関わる回数を増やした。

 だが、試合後の本人は不満顔。「ガンガン攻撃行って、クロス何本も入れてチャンスつくりたい」というSBは、決定的な仕事のできなかった試合を「いつもよりも全然ダメだと思います」と悔しがっていた。

 日本人の母を持つコナーはオーストラリアから2年前に来日。成立学園がパスで崩すサッカーを志向していること、また成立学園出身のオーストラリア代表DFジェイソン・デビッドソンに「この学校は素晴らしいと言われた」こともあって留学を決意したという。日本に来てまず驚いたのは走りのメニュー。「本当ビックリしました。最初の練習、鷲宮のランニングコースで4週走ってと言われて。走りはやるしかないので」と苦笑いするコナーだが、2年間のトレーニングに精力的に取り組んできた結果「今はチームでも走れる人になった。一番(身に着いたのは)体力です」と走力を武器にするまでになった。

 2年間務めていたFWから今年左SBへ移り、得意の左足と走力を活かしてポジションを獲得。今夏には帰省中のコナーの下にU-18オーストラリア代表監督から突然電話が入り、候補合宿参加を要請されたという。そこでアピールしたコナーは10月に日本、ラオス、フィリピンとAFC U-19選手権予選(U-20W杯アジア1次予選)を戦うU-18オーストラリア代表へ選出される模様。「出るか分からないけれど。(日本相手でも)自信はあります。(オーストラリアは)みんなと一緒にサッカーやった時もSBにボール来て上手くてやりやすい」というコナーとU-20W杯を目指す日本との真剣勝負は興味深いものになりそうだ。

「(日本に来て)正解だと思います。来た方が絶対に良かったです」と日本で成長できたことを認めるコナー。この後は選手権全国大会、U-20W杯へ向けた戦いと忙しくなりそうだが、まずは「ぜひ行きたいですね」という選手権出場に集中する。この日決勝点を挙げたMF河口海斗が「モチベーション低い時は本当に低いけれど、やってくれる時は本当にやってくれる。(コナーがいれば)DFラインが負けることはないかなと思います」と語る左SBが成長させてくれた成立学園に全国切符獲得で恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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