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[選手権予選]誕生日を完封勝利で終えた山梨学院CB大沼主将「誰よりも強い気持ちを持って恩返しできるように」

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[10.31 全国高校選手権山梨県予選準決勝 日本航空高 0-1 山梨学院高 中銀スタ]
 
 山梨学院高は夏の総体予選決勝で帝京三高に0-5で敗戦。0-2から攻撃的布陣にスイッチして攻めに出た結果、3点を加点されて敗れる結果となった。主将のCB大沼士恭(3年)は「自分は形として坊主にしたりしたんですけど。自分の中では失点するとあの5失点は頭によぎるし、絶対にここ持ちこたえなければいけないといい教訓になった」という。日本航空高との準決勝は教訓を活かして1-0で勝ち、帝京三と戦う決勝進出。個人、チームの学びとなった夏の雪辱を果たすときがやってきた。

 この日は1点を追う相手に何度もクロスまで持ち込まれたが、DFがニアサイドで足に当て、また中央へ飛んでくるボールもCB纐纈大雅(3年)と大沼が中心となって跳ね返した。追加点が取れずに我慢の時間帯もあったが、山梨学院は決定打を打たせない。また、前半から味方の3トップが仕掛け続けて日本航空高の足を使わせていたこともあって、相手は終盤に足を攣らせる選手が続出。チームは危ないシーンをほとんどつくられないまま完封勝利をおさめた。

 試合後、スタンドから18回目の誕生日を祝福された大沼。前日の晩から起床後も誕生日であることを特別意識することなく、試合に臨むことができたという。選手権に出場するために、今はとても良い状態でサッカーに集中することができている。
 
 昨年、大沼は母の弘子さんを52歳の若さで亡くした。母のためにも全国へという思いを持ってこの一年間を過ごしてきた。大阪の実家を離れて山梨で戦う大沼は家族や周囲の支えを肌で感じながら日々を送ってきた。「自分は母さんのためにも、という気持ちが強い。支えてくれたのはみんなだし、父さんや姉ちゃんもいろいろなサポートしてくれているので、誰よりも強い気持ちを持って恩返しできるように。来週絶対に勝って恩返しできるようにしたい」。名門の主将は18歳の誕生日を祝ってくれた仲間とともに決勝を制し、全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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