beacon

[MOM1604]広島皆実FW有國修平(3年)_ゴールパフォは「失敗」もCR7彷彿させる無回転FK

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 全国高校選手権広島県予選決勝 広島皆実高 2-1 広島観音高 広島広域公園第一球技場]

 0-1とリードされて迎えた25分。正面やや右寄り、ゴールから約30メートルの距離で広島皆実高がFKを得ると、FW有國修平は志願してキッカーを務め、「中学生くらいから練習していて、イメージはできている」という無回転キックで直接ゴールを狙った。4人の人壁がジャンプする上を大きく超えたボールは、その後に急激にドライブして落ち、ゴール右上スミへ。これも「完璧にイメージした通り」というコースに決まり、同点に追い付いた。
 
 ボールがネットを揺らしたのを見届けると、応援スタンド前でジャンプして体を回転させて、両腕を下で広げて見栄を切るクリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンス。これについては本人も「ノリと勢いでやって、失敗しました」と苦笑いを浮かべたものの、シュートのスピードや軌道はCR7を彷彿とさせるものだった。2次リーグでも同様の直接FKを決めているとはいえ、河江俊明監督も「この大舞台で、もう一発出るとは」と驚き、「劣勢で、0-1でハーフタイムなら御の字だと思っていたので、すごく大きかった」と振り返った、貴重な一撃だった。
 
 ストロングポイントを遺憾なく発揮して流れを引き寄せたアタッカーは、スピードと力強さを兼ね備えるドリブル突破という武器も持つ。この日も当初は左サイド、後半途中からは右サイドのタッチライン際で、相手に挑みかかるような迫力の仕掛けで攻撃にリズムをもたらした。昨年度のチームは新人戦、総体、選手権の県内3冠を達成したが、今年度は2月の新人戦決勝で広島観音に敗れるスタート。そこから「チーム全体が同じ意識を持って、自分たちはこういうサッカーをする、という形を試合前や練習前のミーティングですり合わせてきました。いろいろなことにチャレンジしながら、できることを増やしていった」という作業を繰り返し、チームは総体予選決勝、今回の選手権予選決勝で広島観音に連勝。有國自身もチームに不可欠のアタッカーとして存在感を増していった。

 ベスト8に進んだ全国総体の準々決勝、関東一高(東京)戦で、有國は前半にハーフウェーライン付近から高速ドリブルで持ち込み、鮮やかな先制点を決めたが、チームは2-4で逆転負け。「選手権ではベスト8を超えて、さらに上を目指していきたい」という目標達成のために、「チーム全体では前半から相手を圧倒し、自分はゴールを決めたい」と決意を新たにした。

(取材・文 石倉利英)

※↑別サイトへ移動します
▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
 

TOP