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昨季は関東Aで今季はBも、2アシストの慶大DF溝渕 「今はポジティブ」と手応え

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[3.5 第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会 関東B 3-1 中国・四国選抜]

 ほんの一瞬抱いた悔しさはしっかりと自身の中に消化し、今はただただ前を向いている。関東選抜BのDF溝渕雄志(慶應義塾大3年=流通経済大柏高)は中国・四国選抜戦に右SBで先発すると、前半35分の同点弾と同44分の逆転ゴールをアシスト。3-1の逆転勝利の立役者となった。

 「守備をしつつ、スプリントで前に出ていくというのが強みだと思っている」と自ら分析する通りのプレーを披露。前半22分に先制されるなか、守備では相手の攻撃をいなすと、同35分に低めのクロスでFW星野秀平(流通経済大2年=流通経済大柏高)の得点をアシスト。同44分にはMF原田鉄平(順天堂大2年=静岡学園高)のヘディング弾をお膳立てた。

 自身のプレーを振り返ったSBは「結果的に2アシストで得点に絡めたのは評価できると思う」と言い、「結果も欲しかったし、昨日以上に深い位置を取ろうと考えていて、そういう形もつくれた。仕事はできたので良かったかなと思います」と頬を緩ませた。

 とはいえ、2アシストを記録する上々の出来だったが、中へ切れ込んで自らシュートを打つシーンでは決めきれず。それゆえに「関東AとBでの練習試合でも点を取っていたので、外だけでなく、チャンスだったらPA内にも入っていって、アシストだけでなくゴールも考えていた」と明かすDFは悔しさものぞかせた。溝渕はどんなときも貪欲に自らを省みている。

 昨年大会は関東選抜Aへ選出。今大会はBへの選出となった。メンバーが発表された瞬間こそ、「今年はBなんだ……」という思いもあったが「今はその感情は無いです。最初の一瞬は悔しさはあったけど、今はポジティブな思いしかないですね」と言い切る。

「Bだとしても、チームに必要として選んでくれているので。このチームで監督から求められることも、すごく好きなサッカー。やっていて楽しいですし、やりがいもあります。初戦では関西選抜に負けましたけど、充実した合宿を送れています」

 大学最終学年となる今季は勝負のシーズンとなる。個人としてプロ入りを目指している以上は、自らの手で夢を勝ち取っていかなければならないが、溝渕はまずチームとして結果を出すことが大事だと強調。

「個人としてプロになるという目標がある。Jリーグの様々なクラブの方が声をかけてくれるような選手になるというのは、夢を叶えるための目標のひとつであると思う。それでも、あくまでチームとしての結果が大事。リーグ戦を経験しながら、1試合ずつチームを向上させて、関東リーグ制覇を目標にやっていきます」と力を込めた。

(取材・文 片岡涼)
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